院長ブログ

緑内障発作の予防をどう考えるか

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今日は1日外来でした。
手術の申し込みは白内障3人、眼瞼下垂4人でした。

白内障のお一人は他院で『緑内障発作の心配があるから白内障手術をした方がいいと言われた』といらっしゃいました。

角膜(黒目)に虹彩(茶目)が付く『隅角』という場所の角度が狭いと、隅角から眼の中の水がうまく流れ出にくくなり、何かの拍子に隅角が閉じてしまうと、房水の逃げ場がなくなって眼の中が房水でぱんぱんになってしまい、眼圧が通常の3倍にも4倍にも上がってしまうのが『急性緑内障発作』です。

この急性緑内障発作を防ぐ治療方法は2つあり、一つはレーザーで虹彩に穴あを開ける『虹彩切開術(LI)』、もう一つは白内障手術です。
LIは外来で気軽にできるメリットもありますが、完全に緑内障発作を防げるものでもないこと、角膜の大事な細胞(角膜内皮細胞)が減ってしまう(水疱性角膜症)合併症の可能性、チン小帯という水晶体の支えが弱くなり白内障手術をする時に大変になってしまうことがあることから、僕は基本的に治療をするのであれば白内障手術が第一選択と考えています。おそらく白内障の進行が緑内障発作の一番の原因と思うので(その理由は白内障のない若い人は緑内障発作が起こらないです)、白内障手術が最も理に適った治療だと思うからです。50歳くらいから気をつける必要はありますが、それくらいの年齢で白内障手術をすると、単焦点レンズでは急に老眼が進んだと感じてしまうので、見え方の改善ではなく緑内障発作を防ぐ目的と割り切り、そのことを理解した上で手術を受けることが必要です。もし、まだ見えにくくないし、老眼が進むのは困る、まだ白内障手術は抵抗があるというお気持ちであれば、前眼部OCTCASIA)などの検査で隅角や眼圧の変化を見ながら手術のタイミングをみるのでも悪くはないと思います。ただ、その場合、経過中に緑内障発作が起こってしまう可能性はなくはないので、急に眼の痛み、かすみ、充血や頭痛、嘔気・嘔吐などの症状が出た場合はとにかく早めに眼科を受診することが大切です。

緑内障発作の予防で白内障手術というのはちょっとハテナが頭に浮かんでしまうと思いますが、受診いただいた方には図や検査結果(画像)を使ってなるべくご理解いただけるように説明したいと思っています。治療も早めの手術が望ましい場合もありますが、必ずしもすぐに手術は必要ないと思っていますので、緑内障発作の治療に疑問や心配、不安のある方はどうぞご相談ください。

↑右が今回の患者さまの隅角(前眼部OCT)。これくらいであれば経過観察でよいかと思います。

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