院長ブログ

硝子体手術後の網膜剥離

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今日は午前は外来で午後は手術でした。手術は白内障16件、眼瞼下垂、下眼瞼脂肪脱、硝子体出血の硝子体手術が1人ずつの予定でしたが、網膜剥離の硝子体手術が緊急で追加になりました。

網膜剥離の方は4月の初めに硝子体混濁で硝子体手術をした40代後半の男性でした。強度近視で網膜の弱い部分(網膜変性巣)があり、術中にはその変性巣にはレーザーで補強をしていましたが、術後1ヶ月半ほどしてレーザーをしていないところに穴が開いてしまいました。まだお若い方だったので、白内障の手術はせずに水晶体を温存したため、周辺部の硝子体処理が若干甘くなってしまったのかもしれません。幸い、視野が欠けるような見えにくさを感じ数日のうちに来てくださったので、網膜剥離の範囲は黄斑部まで及ばず、視力自体は低下せず、今回の手術でも黄斑部を守って網膜を復位できたので視力はなんとか下がらずに済んでくれそうです。

ちなみに、硝子体手術後は眼の中が硝子体から『水』に置き換わっています。網膜剥離が始まった時に、硝子体があれば、それが網膜を抑える力(タンポナーデ効果)にもなり、進行は比較的ゆっくりです。しかし、硝子体手術後は硝子体が無い(無硝子体眼)ので、眼の中の水が網膜の穴からどんどん入り込み、比較的急速に、広範囲に網膜剥離が進みやすいとされています。ですので、硝子体手術後に異変を感じた場合は、なるべく早く受診することがとても大切です。

今日は硝子体出血の硝子体手術もありましたが、6月に予定していた硝子体出血の方が月曜日に網膜剥離になってしまいました。硝子体出血の原因には網膜剥離もあり、その可能性も考えて手術を待っていましたが、その経過観察中、出血自体は消退傾向で網膜剥離が原因の出血ではなかったと思いますが、結果として、途中で網膜剥離が起こってしまいました。手術は患者さまの希望で他の医療機関にお願いすることになりましたが、そちらの先生のお話ではやはり経過中、網膜に穴がないと確認できていた部分に穴が開いたことが原因の網膜剥離のようでした。元々、網膜裂孔でレーザー治療をしている方で近視も強く、他の方よりはリスクのある眼でしたので、もっと早めに手術をした方がよかったのかなと思います(反省点です)。ちなみに、手術は僕の尊敬する信頼できる先生(町田の中原先生)がしてくださったのでとても安心でした。

病気の経過、変化は色んな可能性を考えて治療は行なっていますが、想定外の経過を辿ることもあります。その時にやはり大事なのは、『おかしいなと思ったら早めに受診すること』だと思います。僕らも患者さまの眼を守るために一生懸命頑張っているつもりですが、治療というのは医療者側が一方的に行うものではなく、患者さまと協力して行うことが必要で大切なことだと思います。
↑今日の緊急の網膜剥離の患者さまの眼底写真。

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