院長ブログ

成熟白内障の手術

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今日は午前が外来で午後は手術で白内障13件、眼瞼下垂1人、硝子体混濁の硝子体手術1件、霰粒腫1人(5歳女の子)でした。

白内障の手術を受けた41歳の男性は、水晶体が真っ白になってしまっている成熟白内障でした。

通常の白内障は水晶体が濁ると言ってもある程度、光を通し、眼底からの光の反射(徹照)を利用することで手術する部分を詳しく見ることができます。しかし、成熟白内障ほど水晶体が濁ってしまうと、徹照が得られず、非常に見えにくい状態で手術を進めなければならなくなります。特に水晶体の表面を丸く切り抜く操作の連続円形前嚢切開(CCC)が、見えにくい状態でしなければならないのと、通常、成熟白内障では水晶体内部の圧が上がっていて、CCCの切開部がどんどん外側に流れる方向に進んでしまうことで、難易度が高い手術になってしまいます。そのため、成熟白内障の手術では前嚢を青い液で染めて見やすくし、僕は普段、針でCCCを行いますが、最初のきっかけだけ針で作り、白く液化している水晶体の濁りを速やかに針先から吸引し、ボリュームを減らした上で、その後はセッシで掴んでCCCを作ります。あとは、通常通りの手術になりますが、無事終わってよかったです。

ちなみに、この患者さまはお若いですが、アトピーがあり、おそらくそのせいで白内障を発症してしまったと思われます。この方のようにアトピーや眼のケガの既往がある方は若くても進んだ白内障が起こってしまうことがありますので、『白内障は高齢者の病気』と決めつけずに、見えにくさを感じたら早めに眼科を受診するとよいと思います。

それと、もう一つ、この成熟白内障の問題があるとすれば、水晶体の濁りが強すぎて、眼の奥の硝子体や網膜に病気が隠れて起こっている可能性が否定できないことです。エコー(Bモード)で間接的に病変を検出できることや、網膜電図(ERG)検査で網膜の機能を評価することである程度、病変の有無は予測できますが、いずれにせよ、非常に強く濁った水晶体をそのままにしておくことはよくないと思っているので、当院にはBモードエコーや ERGは導入せずに、手術で水晶体の濁りを取り除き、その後、もし眼底に病変があり、治療が必要であれば改めて追加の処置を行う方針で考えています。眼底に病変があり、白内障の濁りを取ってもあまり視力としての改善が望めなければ、無理に濁りを取る必要はないという考えもあるかもしれませんが、実際に手術をしてみないとどれだけ改善が得られるかは分からないと思いますし、少しでも改善の可能性があり、患者さまの希望があるならば、手術する意味はあると感じています。

この患者さまも白内障の手術終了時点の眼の奥の感じで何か病変がありそうな予感はしますが、術後に改めて眼の中の状態を評価し、必要があれば治療をしっかり考え行いたいと思います。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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