今日は一日外来で、手術の申し込みは、白内障13人、眼瞼下垂2人、霰粒腫2人(4歳女の子、51歳女性)でした。
今日、受診された60代の半ばの女性の方は、先日、当院を受診された方のお姉さんで東北地方にお住まいで、左眼がだいぶ進んだ白内障があり、ほとんど見えずに、地元の病院では、『進んだ白内障で手術が難しいから、無理に手術しないで様子を見ましょう』と言われたものの、心配になってお連れくださったそうです。
左眼は進行した白内障の成熟白内障で視力は光覚弁(光が分かる程度の視力)ですが、右眼は軽度の白内障があるものの、視力は矯正で0.6ほどあり、確かにある程度の生活は可能な状況と思います。右眼が見えにくくなってきたら、その時点で右眼の手術をして、右眼だけでも見えるようにしてあげれば問題はないという考えもあるかもしれません。でも、右眼の手術の時には一時的な不自由も出ると思いますし、可能性は高くはないかもしれませんが、右眼の手術がうまくいかないことや右眼に何か病気が出てくることもなくはなく、その時に左眼が見えていないままだと困ってしまうこともあるかと思いますし、そもそも、進んでいる白内障をそのままにしておけば、更に手術の難易度は上がってしまうので、基本的には、進んだ白内障だからそのままにというよりは、進んでいるならきちんと手術をしてあげた方が、その人にとってはプラスの部分の方が大きいかと考えています。この患者さんは、精神科のご病気もあり、そのこともあり、手術はしなくていいでしょうという提案を受けていたところもあったかもしれませんが、眼以外の部分での難しさもあれば、だからこそ、先送りにしないで、少しでも進まない状態で手術してあげた方がよいかなと思いました。
ということで、早めに手術の方針で予定させていただきました。あくまでも僕の考えではありますが、進んだ白内障こそきちんと手術を受けて欲しいなと思います。