院長ブログ

アイステント後の出血の経過

今日は一日外来で、手術の申し込みは、白内障10人、眼瞼下垂2人、霰粒腫4人(2歳男の子、5歳男の子、12歳女の子、29歳男性)、翼状片1人でした。

今日は、先週、白内障の手術でアイステントを入れ、術後に左眼の前房出血を来たしていた70歳代前半の女性の患者さんの診察がありました。

アイステントは線維柱帯から挿入しシュレム管に固定します。シュレム管には血液が流れるため、アイステントを入れると、多少は目の中への出血(前房出血)を起こします。通常は、見え方にほとんど影響しない程度か、あっても多少霞むかなくらいの出血量のことが多いのですが、この患者さんの場合、下方に塊を作るくらいの出血で、その血の塊が瞳孔の縁にもかかり瞳孔の形が変形してしまうくらいの量でした。出血すると一度、血の塊ができ、それが少しずつ溶けていくので、術翌日は視力は0.3くらいだったのですが、その後、血の塊は少しずつ小さくなってきているものの、溶けた血の粒が眼の中で舞うので、全体的にかすむようになり逆に視力は低下し、術後2日目の前回は手動弁まで低下していました。

今日の診察では視力はまだ0.06でなかなかすぐによくならず患者さんとしては不安な気持ちもあるかと思いますが、凝血塊自体は少しずつ小さくなり、瞳孔も閉じてきているので、少しずつ見え方も改善してくれると思いますので、もう少しお待ちいただければと思います。

ちなみに、今回の中程度の前房出血や眼の奥の硝子体出血体勢の関係で夜寝ていると眼の中央部に溜まりやすく、朝起きた時は余計に見えにくく、起きて体を動かしているうちに出血が下の方に移動し、中心部が晴れるようになり、見やすくなると感じることも多いです。

今日も皆さん、お疲れ様でしたm(_ _)m

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