院長ブログ

イギリスからのデルモイド

今日は午前は外来、午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障2人と霰粒腫1人(8歳女の子)で、今日の手術は、眼瞼下垂3人、霰粒腫2人(3歳女の子、14歳女の子)、眼窩腫瘍1人でした。

今日の手術では4歳の女の子の左まぶたのできものの摘出の手術がありました。子どものまぶたのできものというと、霰粒腫のことが多いですが、霰粒腫まぶたの中にある瞼板という板状の軟骨のような組織から発生するのでまぶたの縁のあたりに腫瘤ができることが多いですし、組織を分解する酵素を出すので皮膚の赤みを来すこともあります。今回の女の子は左眼上まぶたの外側に皮膚がなだらかに盛り上がるしこりを認めました。最初、『霰粒腫の切開をお願いしたい』とお母さんから相談いただいたのですが、見るからに霰粒腫ではなく、おそらく“デルモイドシスト”と思われたので、霰粒腫よりは切開に時間がかかるので全身麻酔での手術の方が楽かもしれないとお伝えした上で、こちらでの切開をご希望だったので、手術させていただきました。

霰粒腫の切開は5〜10分ですが、デルモイドはそれなりの大きさの腫瘤を周りの組織から剥離してきれいに取り出さなければならないですし、皮膚も縫合することになるので30分くらいはかかるかと思っています。今日の女の子も局所麻酔で、ちょうど30分くらいかかりましたが、8歳でしっかりした子だったので全く泣かずに手術できてよかったです。

この子はイギリスにお住まいで、問い合わせフォームからご連絡いただき、夏に一時帰国するのでその時に切開をできないかと相談いただきました。ご実家とか帰国時の滞在先がこの辺りかと思っていましたが、ご実家は京都とのことで、わざわざこちらまで手術を受けに来てくださり、大変恐縮でしたが、うまくタイミングが合い、しこりもきれいに取れてよかったです。

ちなみに、この子は2歳の頃から腫瘤の存在に気づき、小児科、皮膚科、眼科を受診し、いずれでも霰粒腫という診断だったそうです。デルモイドも大きくなればなるほど、切開のキズも大きくなりますし、摘出が大変になるので、しこりが大きくなるようでしたら、早めに切開を考えるとよいのかなと思います。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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