今日は午前のみの外来で、手術の申し込みは、白内障7人、眼瞼下垂2人、硝子体手術1人(黄斑円孔)、霰粒腫2人(2歳女性、29歳男性)でした。
今日の外来では、昨年の4月に当院で多焦点レンズを使った白内障の手術を受けていただき、その後、見え方の不調と眼痛に悩まされ、右眼は眼内レンズの入れ換えの手術を2度行っていた(1回は他院で)50代の女性の方の経過観察がありました。
術後の眼の痛みとしては、見え方がよくなくても痛みが出ることがあるので、眼内レンズの入れ換えを行ったのですが、なかなか症状の改善は得られず、痛みが出るような所見が全くなく治療に難渋していたのですが、眼も開けていられないという眼瞼けいれんを疑う症状や所見もあったので、都内の眼瞼けいれんに詳しい先生に紹介していました。
紹介後初めての受診でなかなか痛みはなくならないかなと思いながら『どうでしたか?』と聞くと、『痛みはよくなりました』という意外な答えが返ってきて、よかったと思いながら『ボトックスの注射をしてもらってよくなったのですか?』と聞くと、『いや、ボトックスの注射をしても全然変わらず、都内の大学病院のペインクリニックを紹介してもらい、そこで“神経障害性眼痛”という診断で“トラマドール”という薬を出してもらったら痛みが半分くらいまで減ったんです』ということでした。神経障害性眼痛という病名は初めて聞いたのですが、白内障や眼瞼下垂などの手術の後に、見た目としては全く問題がなく、痛みの原因がはっきりせず、ドライアイなどを疑い、ヒアルロン酸やステロイドの点眼を使いながら様子を見ても一向に症状の改善が得られない患者さんが時々いらして、この神経障害性眼痛が隠れているような場合もあるのかと思いました。所見がないのでなかなか診断がつきにくいですが、逆に所見がないような眼痛ではこの病態を疑って、内服を使うのも一つの方法かと思いました。特に、今回の患者さんは眼の痛みで眼も開けていられず生活もままならなかったのですが、ようやく日常生活を取り戻せたということで、一つの薬で劇的に改善できたことはすごいことだと思います。諦めずに色んなクリニックを受診してようやく落ち着いてくれてよかったです。
今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m










