今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障2人、眼瞼下垂1人、硝子体手術1人でした。
今日の手術は、白内障11件(iStent併用1件)、硝子体手術2件(黄斑上膜・硝子体出血)、霰粒腫1件(3歳男の子)でした。
今日、硝子体出血で硝子体手術をさせていただいた70代半ばの男性は、1年半前に糖尿病の網膜症からの硝子体出血に硝子体手術網膜のレーザー治療も行い、しばらくは落ち着いていましたが、年末くらいから左眼が見えにくくなってきたそうで、視力はから手動弁まで低下してしまいました。眼底の出血や白斑は軽度ありますが、黄斑の浮腫や増殖性の変化はなく、片眼だけの著明な視力低下で糖尿病網膜症が悪化した訳ではなさそうだったので、脳や眼に血流を届ける内頸動脈の狭窄による“眼虚血症候群”を疑い、かかりつけの内科で頭部MRI・MRAの検査をお願いしました。もし狭窄による視力低下であれば、なかなか視力の改善は難しいのですが、その狭窄を解除する治療をした方がよいこともありますし、症状のない反対側にも動脈の狭窄が存在しており、予防的に治療の対象になる場合もあります。
ちなみに、見えにくくなった時に脳に病気?と心配される方もいらっしゃり、稀ですが確かに脳に病気がみつかることもあり、脳からの病気の場合、視野が欠けるような障害が出ますが、脳の神経は左右の眼につながっているため、通常は両眼に同じような見えにくさが出てきます。なので、片眼の視力低下の場合は、頭蓋内病変ではなく、眼そのものや視神経の問題なことが多く、頭の中はあまり心配しなくてもよいかと思います。
今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m