今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障4人と眼瞼下垂1人で、今日の手術は、白内障16件(iStent併用2件)と眼内レンズ交換1件でした。
今日、手術の眼内レンズ交換の方は、65歳の男性で12年前に他院で多焦点レンズを使った白内障の手術を受け、その2年後に右眼の網膜剥離を起こし、硝子体手術を受け、その後からレンズが曇って見えにくくなってしまったそうです。この方の多焦点レンズはレンティスMプラスという海外から輸入して使うレンズですが、ガスに触れると混濁を生じるとされていますが、実際に本来、透明なレンズがしろく混濁し曇りガラスのようでした。白内障の術後、すぐに後発白内障でYAG後嚢切開が行われており、その後に網膜剥離で硝子体手術を行いガスを入れ、後嚢がない分、より多くガスと触れたことで混濁が強くなったのかなと思いました。視力自体は1.0と数字上は良好でしたが、本人の見えにくさと、それに矛盾しないレンズの混濁があったため、手術することとさせていただきました。
手術では顕微鏡で眼に光を当て、網膜からの光の反射で見やすくなるのですが、レンズの濁りで反射が全く得られず、患者さんが見えにくいと言うのも納得でした。YAGレーザーの後嚢切開後で、新たなレンズは単焦点の3ピースレンズで嚢外固定にしようと思っていましたが、思った以上にレンズの癒着が強く、部分的にチン小帯が損傷してしまいましたが、なんとか予定通りにレンズを入れられてよかったです。後嚢切開後の入れ換えですと、硝子体が出てきてしまい、その処理をしないといけないこともありますが、この方は硝子体術後でしたので、その手間もなかったので、それは助かりました。
あとは、なんとかこのままレンズがよい位置をキープでき、レンズの混濁がなくなったことで、スッキリ見えるようになってくれればと願います。
今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m