今日は午前は外来、午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障3人と眼瞼下垂2人でした。
今日の手術は、眼瞼下垂3人、霰粒腫5人(2歳男の子、2歳女の子、3歳女の子、4歳女の子、52歳女性)でした。
霰粒腫は左右にできたり、切開してもまたできてしまうことがある厄介な病気ですが、今日、霰粒腫の切開手術の5人中、3人は2度目以降の手術として受けていただきました。
当院では鎮静剤の内服と笑気麻酔を使った上で、まぶたに局所麻酔の注射をして小児の霰粒腫の切開を行っていますが、良くも悪くも強い効果はないので、どうしても泣きながらの処置になってしまうことが多いです。なので、2回目の切開の時は記憶が蘇り怖くなってしまうことが多いのですが、今日、切開だった3歳の女の子は2月の半ばに右の上まぶたの霰粒腫の切開を行い、今回は左の上まぶたの霰粒腫の切開で、前回は鎮静剤を飲めなかったのもありますが、大泣きになってしまい、今日はまた泣いてしまうだろうなぁと思っていましたが、手術室に入ってくると、自ら『がんばる』と言い、それでも注射の麻酔をするとダメかなぁと思いながら手術の準備を始め、いざ、注射の麻酔をすると、ちょっとチクっとしたと思いますが、また『がんばる』と言って、その後も、何度も『がんばる』と言い続け、結局、そのまま全く泣かずに切開を終えることができました。最初はがんばると言っても、我慢できずに泣いてしまうことが多い中(当たり前のことですが)、本当に頑張ってエラいなと思いました。
この子は右の上まぶたに大きな霰粒腫ができていて、切開してだいぶよくなったので、治すにはがんばることが必要だということを理解して頑張ってくれたのかなと思いました。ただ“頑張れ”と言われても、なぜ頑張らないといけないのか、頑張ることの先に何があるかが分からないと、大人でもなかなか頑張れないと思います。逆に、その必要性が分かれば、小さな子でもこんなに頑張れるんだととても感心しました。
そのことをスタッフに伝えたところ、『ドキンちゃんと約束したからですよ』と言われましたが、どうやら、この子はドキンちゃんが大好きだそうで、切開の前にドキンちゃんの人形を持たせて、ドキンちゃんが『頑張って』って言ってるから頑張る約束しようと伝えたところ、『うん』と答えてその約束を守って頑張ったようでした。ちょっと僕の思った理由とは違いましたが、でも、どんな理由でも頑張れる理由があることが大事なんだと思いました。僕らもしっかり目的意識を持ち頑張っていきたいと思います。小さな子から大切なことを教えてもらった気がします。どうもありがとう。