院長ブログ

待つことが大事な時

今日は午前のみの外来でした。
手術の申し込みは、白内障4人、眼瞼下垂1人、霰粒腫2人(8歳女の子、39歳女性)でした。

今日も白内障術後の相談で50代前半の女性の方がいらしゃいましたが、昔、レーシックの手術を受けており、年末に他院で右眼の白内障の手術をミニウェルで行ったものの、太陽の下での見えにくさがあり、ご自分の希望で1月にVivityに入れ換えてもらったそうです。術直後はよかったそうですが、徐々に2m先が見えにくくなり、乱使用の眼鏡を使えばよく見えるので、レンズを入れ換えたらよくなるかと相談にいらっしゃいました。

検査上の乱視は0.5Dしかなく、その影響はあまり考えにくかったのですが、眼鏡を掛ければ見やすくなると感じる以上、屈折の問題はあるように思えました。なので、乱視に対する何らかの処置、例えば、レンズの入れ換え(Vivityは乱使用がないので他のレンズになりますが)やアドオンレンズ、レーシック(この患者さんは元々、レーシックを受けていたので追加のレーシックができればですが)などを考えてもよいように思いました。

ただ、その治療をすぐにすべきか、すぐにしてよいかはよく考える必要があり、まずは経過を見ることが、今、一番すべきことと伝えさせていただきました。なぜかと言うと、手術の後、状態がすぐに落ち着く人もいれば、落ち着くのに時間がかかる人もいます。特にレーシックのような角膜のレーザー治療を行っている人は尚更です。そのまだ落ち着かない状態で、例えば、レンズの入れ換えをし、その時点で適切な度数を入れてあげれば、その一瞬はよくなりますが、その後、眼の状態が変化すれば、当然、入れ換えたレンズも合わなくなってきてしまします。レンズの入れ換えをする時には、癒着の問題もありますから、徒に先にすることがよくはない面もありますが、それにしても、ある程度、眼の状態が落ち着かないと、せっかく入れ換えたレンズが

ピッタリでなくなってしまう恐れがあります。焦る気持ちはあるかと思いますが、待つことが大事な時もあるということは分かっていただければと思います。

今日の患者さんも、最初の白内障の手術の後、まだ落ち着かない状態で入れ換えの手術をし、そのせいで術後に少しずつ見えにくくなってしまったのかと思われましたし、僕のところに来る前にもまた違うクリニックで診察を受け、その時のデータも今と違うようでしたし、まだまだ眼の状態が落ち着かないのかなと思われました。なので、1か月ほど時間を置いて、状態を確認し、治療を考える方針とさせていただきました。不安もあるかと思いますが、少し先でも入れ換えは十分可能と思いますので、まずは頑張って待っていただければと思います。

今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m

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