今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障2人で、今日の手術は、アドオンレンズ1人、白内障 件、硝子体混濁の硝子体手術1件でした。
緑内障の手術の目的は眼圧を下げることで、見え方を改善するものではありませんし、手術の侵襲により緑内障の視野欠損が進んでしまうことがあり、そのタイミングはとても難しいです。
今日、外来受診された歳の男性の方は、元々、他院で両眼の緑内障手術を受け、左眼は水疱性角膜症を起こし、角膜移植を行なった後に失明、右眼も緑内障が進行し、視力は0.02程度である程度は維持できているものの、本人の自覚的には『どんどん見えなくなっている』ということで、当院に来る前に通っていた都内の大学病院に一度、セカンドオピニオンを勧め受診しましたが、点眼と内服で保存的に維持していくのが最善でしょうという答えをいただいていました。しかし、その時よりも眼圧が上昇し、点眼と内服を目一杯使っても眼圧は上昇傾向で、このままでは近い将来、失明することは避けられないということが現実的になってきたように思えました。そんな状況で、ご本人より『このまま失明を待つなら手術して失明したい』と希望されました。視野の余力も少なく手術することで、視野がより狭くなることや失明を早めてしまう可能性は十分あり、手術を選ぶことはリスクがあることは自明です。しかし、患者さんも感じているようにこのまま点眼と内服を続けるだけでも失明する可能性は高く、このままその時を待つよりは、手術をし、もしうまくいけばより長い間、視力を保てる可能性に賭けることも選択肢としては悪くはないのではと思いました。どちらにしろ失明は避けられないかもしれず、どちらが正解ということはないかと思いますが、もしそうなった時に、どの選択が納得できるかという問題かと思います。なので、患者さんがこのことをよく理解した上で、手術を選択するならば、僕は支持したいと思いました。
今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m