院長ブログ

cherry red spot

今日は午前は外来、午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障3人と眼瞼下垂1人でした。
今日の手術は、白内障6人、眼瞼下垂3人、霰粒腫1人(29歳女性)でした。

今日、予定外で外来を受診された60歳代後半の男性の方は、当院で白内障の手術と眼瞼下垂の手術を行い、糖尿病があるために定期的な眼底検査を行っていましたが、2週間前から右眼が急に見えなくなったといらっしゃいました。糖尿病があっても網膜症は全くない眼だったので、症状だけでは原因がはっきりしませんでしたが、視力は まで低下し、眼底を見ると、眼の中心の黄斑部が赤く周りが白い“cherry red spot“という所見が見られました。これは網膜の虚血が起こり黄斑部の色調が目立つことで出てくるのですが、”網膜動脈閉塞症“という病気に特徴的な所見です。網膜の動脈が詰まってしまうと網膜が壊死してしまいますが、網膜動脈に血栓が詰まることで起こるので、発症から2日以内であれば、血栓を溶かす薬剤を点滴する治療が有効な場合があります。しかし、2週間も経ってしまうと、なかなか対処法がなく、反対の眼に同じようなことが起こらないように、血液が固まらないような薬を予防的に飲むような治療をしていくくらいになってしまいます。

急に、しかも極端に見えにくくなった場合は、血管に原因のあるような深刻な病態のことがあり、時期を逃すと手遅れになってしまうこともありますので(早く対応すれば必ずよくなるものでもないですが、、、)、あまり様子を見ずになるべく早めに受診いただくことが重要かと思います。

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