今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障1人で、今日の手術は、白内障14件、眼内レンズ位置修正1件、眼内レンズ交換1件でした。
今日の手術では、眼内レンズを嚢内固定から嚢外固定に変える手術を行いました。なぜ、こんなことをしたかというと、この患者さんは元々、昨年の8月に他院で両眼の白内障の手術を受け、左眼は通常の予定通り、水晶体の袋(水晶体嚢)の中にレンズ(アイハンス)を入れて(嚢内固定)終えたものの、右眼は水晶体嚢の後面(後嚢)が破れてしまい(後嚢破損)、脱出する硝子体(硝子体脱出)の処理を行ったのちに、3ピースタイプのレンズを水晶体嚢の上に入れて(嚢外固定)終えたそうです。それで、うまくいった方の眼である左眼が『術後から、曇った感じが気になる』と当院を受診されました。
左右の眼の違いとしては、レンズの種類が違う、レンズの入っている位置が違う、前の方の硝子体(前部硝子体)の処理をしているかの3つがありました。その中で一番可能性が高いかと思われ、十分、症状の原因になりうると思われたのが、レンズの種類の違いだったので、5月にアイハンスから右と同じ単純な単焦点の3ピースレンズへ入れ換えました。多少は症状が改善したものの、やはり症状が続くということで、少しでも左右の違いを無くしてみるという意味で、今回、嚢内に入れた眼内レンズを嚢外に固定し直しました。嚢外固定することで、レンズと虹彩の距離が変わると、眼の中への光の入り方が多少変わるので、もしかすると症状が改善してくれるかなと淡い期待を持ちながら、もしこれでも変わらないなら、あとあるとすれば、硝子体の影響かと思うので、もし残念ながら今回の処置で改善が得られず、更に何かしらの治療を患者さんが望まれるなら、硝子体の切除を考えたいと思います。
今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m