院長ブログ

眉下切開の適応

今日は午前のみの外来で、手術の申し込みは、白内障3人、眼瞼下垂1人、硝子体出血の硝子体手術1人、霰粒腫 1人(2歳女の子)でした。

今日の外来で『まぶたが重い』と受診された40代半ばの女性の方はまぶたの皮膚の量が多く、その弛みが眼にかかってしまい、まぶたの重たさ、頭痛や肩こりが出やすい“眼瞼皮膚弛緩(偽眼瞼下垂)”の状態でした。基本的に治療としては手術で、余分な皮膚のを切除する上眼瞼皮膚切除手術を行います。

この上眼瞼皮膚切除には、2つの方法というか、上まぶたのどの部分の皮膚を切除するかで2パターンがあります。

一つは、睫毛側の皮膚を切除する睫毛側皮膚切除で、上眼瞼の皮膚切除としては一般的な方法です。切開線が二重になるので、しっかり二重を作ることができますが、まぶたの皮膚は睫毛側が一番薄くて(体で一番薄い皮膚です)眉毛側に向かうにつれて厚くなるので、睫毛側の皮膚を切除すると、眉毛側の厚い皮膚が降りてくることになるので、弛みは取れても、見た目として重いまぶたとなってしまうことがあります。

眉毛下の皮膚切除は厚い皮膚を切除し、睫毛側の薄い皮膚を残すことができるので軽い見た目のまぶたにできますが、切除や縫合にやや手間がかかるのと、眉毛の下に作る切開線は隠れないのでしばらくキズが目立つということが不利な点です。それと、睫毛側の皮膚切除では二重(重瞼)ができるのですが、眉毛下の皮膚切除では、一重の人は一重のままというのもデメリットかもしれません。

今日の患者さんは、元々、しっかりとした二重だったのが奥二重になり、まぶたがやや重い印象があったのと、女性でしたが眉毛がしっかりあり、眉毛下の切開でもキズが目立ちにくそうだったので、眉毛下皮膚切除の方向で手術を予定させていただきました。

ちなみに、まぶたが下がった眼瞼下垂でまぶたを持ち上げる筋肉を触らないといけない時は、眉毛下の切除では筋肉の操作ができないため、睫毛側の切開が必要になります。

眉下切開と睫毛側切開とどちらの方がよいというものではありあせんが、人によってどっちの方がよいかというのはあるので、なるべく合った方法を選択することが大事だと思います。

今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m

TOPへ