今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障4人と硝子体出血の硝子体手術1人でした。
今日の手術は、白内障14件と硝子体出血の硝子体手術1件でした。
今日、硝子体出血で硝子体手術を受けていただいたのは40代半ばの女性の方でした。硝子体出血の原因はいくつかありますが、多いのは糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、網膜剥離などかと思いますが、この患者さんの出血の原因はくも膜下出血で、くも膜下出血の後に硝子体出血が起こる病態は“Terson症候群”(テルソン症候群)と呼ばれます。機序ははっきりしないものの、くも膜下出血で頭蓋内圧が上昇し、眼内の静脈から出血を起こすとされていますが、くも膜下出血で倒れた後に、回復したけれど、目が見えないというパターンで気づかれることが多いかと思います。くも膜下出血での頭蓋内圧の上昇が原因とされますので、くも膜下出血が収まれば、ずっと出血し続けることはありませんが、出血の量が多いとなかなか自然には吸収されず、治療として出血を取り除く硝子体手術が必要になります。
今日の患者さんも 月にくも膜下出血を起こし、幸い、手術をして後遺症なく回復しましたが、眼の硝子体出血は残り、徐々には引いてきたものの、それでも視力は0.01程度で、今回の手術となりました。
やっぱり手術をすると、眼内には大量の出血が存在し、まだ年齢的に若いこともあって、出血が硝子体にしっかりと絡まって存在しているようで、余計に自然吸収されにくいのかなと思いました。一部、網膜の裂孔と限局的な網膜剥離があり、念のため、硝子体腔を空気に置き換え、レーザーをして手術を終えました。視力に関与する中心部の網膜は全く問題なかったので、空気があるうちはまだ見えにくですが、空気が引いてくるに従って、見え方も改善してくれるかと思います。
今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m