今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障5人で、今日の手術は白内障14件と黄斑上膜の硝子体手術1件でした。
今日の外来では、先週、後発白内障のYAGレーザー後嚢切開の治療をした60代半ばの男性の方の経過観察がありました。
この方は2022年の6月に多焦点レンズを使った白内障の手術を受けていただいたのですが、術後、なかなか見え方がよくなく、多焦点レンズの不適応症と考えながら経過を見ていました。そのうち、後発白内障も少しずつ出てきたため、YAGレーザーをするのも一つの手かと考えましたが、後嚢切開をしてしまうと、レンズの入れ換えが難しくなってしまうため、入れ換えをするか、YAGレーザーをするか決めきれずに時間を過ごしていました。しかし、元々のご本人の見えにくいという症状に加え、実際、以前よりも視力が下がってきたこともあり、今回、YAGレーザーをすることになりました。
結果的には、YAGレーザーをし、それまで0.7だった視力も1.0まで改善し、ご自身の症状もよくなったと感じられ、YAGレーザーをしてよかったです。
多焦点レンズは術後すぐは見えにくく、少しずつ時間をかけてよくなるケースもよくあります。後発白内障は術後しばらくしてから出てくることが多いですが、人によっては術後間もなくても出てくることもありますし、同じ濁りだとしても単焦点レンズよりは多焦点レンズの方が影響が出やすいこともあるかと思います。
この患者さんの場合、多焦点レンズの見え方に慣れるのに時間がかかるパターンだったと思うのですが、本来、少しずつ多焦点レンズの見え方がよくなるはずの時期に、後発白内障が早めに出てきてしまい、結果的になかなか見え方が改善しない状態がずっと続いてしまったのかと思います。
多焦点レンズで見えにくい場合には、単焦点レンズへの入れ換えが治療の選択肢に入る以上、簡単にYAGレーザーをすればよいというものでもないところもありますが、今回の患者さんはもっとシンプルにYAGレーザーをすればもうちょっと早くよい見え方を手に入れられたかもしれません。なかなか難しい判断ではありますが、色んな可能性を考慮して、納得して治療を決めることが大切だと思います。
今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m