今日は午前は外来、午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障2人、眼瞼下垂1人、霰粒腫1人(62歳女性)で、今日の手術は、眼瞼下垂2人、霰粒腫1人(6歳女の子)、睫毛電気分解1人、眼瞼皮膚腫瘍切除1人でした。
今日の外来では、他院で白内障の手術を受け、当院で両眼の眼内レンズの入れ換えの手術を受けていただいた50代前半の女性の患者さんの経過観察の診察がありました。
最初の眼内レンズの入れ換えは昨年の12月に手術を受けていただきましたが、“最初の”と書いたのは、左眼に関しては、2回目の入れ換えも行ったからです。元々、レンティスで遠方めに合わせたところ、近方が見えにくく、パソコンが見えるくらいの近めの度数に合わせて入れ換えをしました。この時も左眼はやや中間寄り、右眼は左眼より近方を狙い、少し左右差をつけ、近方をより広い範囲で見えるように設定しましたが、結果的に、左眼が中間距離の1mくらいにピントが合うような見え方で、左右のバランスが悪いということで、左眼をもう少し近くに合うように入れ換え直しました。
眼内レンズの入れ換えを希望する患者さんの中には、今の見え方を捨て切れない方が
いらっしゃるように感じます。例えば、単焦点レンズで遠方にピントを合わせて近方が見えにくくて、近方に合わせるレンズに入れ換えたいという希望なのに、『遠方もなるべくは落としたくない』というようなことをおっしゃる方もいて、確かに、今の見え方のよいところはなるべくそのままにしたいという気持ちも分からなくはないのですが、それで度数の設定を弱めにしてしまうと、結局、せっかく入れ換えたのに思ったより近くが見えないという中途半端な結果になってしまうことがあります。
この患者さんも2回目の入れ換えを考える上で、左眼を近方に合わせれば、今、見えている範囲は狭くなってしまうマイナスの面も悩みましたが、自分には左右差がない方がいいし、一番見たいのは近くという希望がはっきりしましたので、2度目の入れ換えをしてもよいと思いましたし、2度目の入れ換えをしてようやく満足な見え方を手に入れることができたと思えました。この方のように、2度目の入れ換えというか、2度目の手術をうまくいかせるには、あれもこれもと欲張らず、自分が一番望むことは何なのかをはっきりさせ、それが叶えば十分と思えるかをよく考えて手術を受けることだと思います。










