今日は一日外来で、手術の申し込みは、白内障10人、眼瞼下垂2人、霰粒腫1人(46歳女性)でした。
今日、白内障術後の相談でいらした患者さんは、約3年前に40代後半で右眼の網膜剥離を起こし、手術が必要になり、硝子体手術を行う時に白内障の手術も一緒に行ったのですが、レンズのピントについてはあまり相談なく決まり、遠方が見えにくくなんとかならないかということでした。
元々は近視の眼で、レーシックを受けて近視を矯正していたそうで、おそらくある程度、遠方に合わせたレンズを入れてくれたのだと思いますが、網膜剥離のトリプル手術の場合、まず網膜剥離を治すことが第一で、レンズのことはあまり細かい話がなく近視の人は近方合わせにしたり、左右で同じ程度に合わせるようなこともあるように思います。そもそも、ガスを入れるトリプル手術の場合、ガスのせいなのか若干度数がズレやすいこともあり、細かく設定することがかえって話が違うということにもなりかねないので、敢えて大まかに決めることもあるかと思います。患者さん側も、網膜剥離の場合はある程度、緊急の手術になることが多く、白内障も必ずしも進行している訳ではなく、『あなたの年齢で硝子体手術の時には白内障の手術も一緒にした方がよいです』と言われ、『先生が一緒にした方がよいと言うなら、じゃあ、白内障の手術もお願いします』と事前にレンズのことを調べる余裕なく手術になってしまい、手術が終わって網膜剥離もしっかり治り、『経過良好ですね』と言われても、『見え方がなんかおかしい』となることもどうしてもあるかと思います。網膜剥離の進行状況によっては、網膜がきちんと元に戻っても網膜の機能が落ちてしまい後遺症が残ることもあり、やむを得ない面もありますし、病気の性質上、手術を急ぐ必要もあり、レンズのことを考える余裕がない場合もあるかと思いますが、できる限りはレンズのことをご自分でも考えて、ピントの位置を決めて手術を受けていただいた方が後悔しなくて済むのではと思います。ちなみに、レンズの種類に関しては、限局的な網膜剥離であれば、多焦点レンズもあるかもしれませんが、ある程度、広範囲の剥離の場合は、どこまで視機能が回復するかは読みにくいところもあり、多焦点レンズは結果的に向かない可能性もあるので、基本的には単焦点レンズを使うことになるかと思います。
今日もお疲れ様でしたm(_ _)m










