院長ブログ

偽円孔と切迫円孔

今日は一日外来で、手術の申し込みは、白内障6人と眼瞼下垂1人、眼内レンズ交換1人でした。

今日の外来では、先週、左眼の黄斑円孔の硝子体手術を受けていただいた40代半ばの女性の患者さんの経過観察の診察がありました。この患者さんは8月の下旬に左眼の視力低下でお近くの眼科から紹介で受診いただき、情報提供書には“黄斑偽円孔”という診断がありました。黄斑円孔というのは網膜の中心部の黄斑に丸い穴が開いてしまう病気で、あまり放っておくと視力の改善が乏しくなってしまうので、比較的急いで手術をする必要があります。一方、黄斑“偽”円孔は“偽”とつくだけあり、本当の円孔ではなく、黄斑の上に膜が張ってしまう黄斑上膜(黄斑前膜)が黄斑の真ん中の部分を避けて出てくると、見た目として、黄斑部に穴が開いているように見えている状態です。治療としては手術になりますが、基本は黄斑上膜なので緊急性はあまりない病気となります。ただ、この患者さんは実際には、偽黄斑円孔ではなく、黄斑部に穴が開きかけている切迫黄斑円孔という状態でしたので、早めの手術が望ましく、初診の5日後に準緊急で手術をさせていただきました。

網膜や硝子体の病気は紛らわしい病名や言葉が多い気がしますし、実際、診断も難しい場合もありますが、僕らも正確に診断や説明をするよう心掛けていますが、今回の患者さんも今のところ、黄斑の穴もしっかり塞がってくれていそうで、経過良好でよかったです。

たまたま、今日の外来では黄斑偽円孔の患者さんも2人いらっしゃいましたが、二人とも視力の低下はさほどでもなく、今回も手術とはならずに経過観察となりました。

今日も皆さん、お疲れ様でしたm(_ _)m

※写真は黄斑偽円孔になります3

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