9/10 (水) 新しいアイステント
今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障3人、眼瞼下垂1人で今日の手術は、白内障12件(iStent1件)、硝子体出血の硝子体手術1件でした。
緑内障のある人で白内障の手術の際に眼圧を下げるために隅角の線維柱帯に挿入するiStent(アイステント)という器具があり、必ずではないですが、白内障の手術の後に眼圧が下がり、それまで使っていた緑内障の点眼を減らしたり、使わなくて済むようにできるので、必要な人にはこの処置を一緒にするようにしています。
白内障の手術のどの段階でiStentを入れるのかは手術する医師によってタイミングが異なりますが、僕は白内障の手術を全て終えた後に行うようにしています。それは、やっぱり一番の目的は白内障の手術であり、途中で他の処置をして何か問題が起き白内障の手術自体がしにくくなってしまうと本末転倒だと思うからです(といっても、起こるとすれば出血くらいで大ごとになることはまずないとは思いますが)。ただ、最後にiStentを入れる時にちょっと面倒なのは、iStentを入れる時には眼の前側のスペース(前房)を粘男性物質というゼリーのような薬で満たして処置を行いますが、大きなキズ(といっても2.4mmですが)を作っているので、細いiStentの器具を眼の中に入れると、キズから粘弾性物質が漏れてきてしまうことが難点ではありました。もっとやりやすくなるといいのになと思っていたところで、今回、新しいiStentが登場し、今日から使い始めました。新しいiStentは器具の先の支柱の外側にシリコンのプラグのような蓋がつき、大きなキズでも栓で粘弾性が漏れにくくなり操作がしやすくなりました。また、iStentは挿入するためのスイッチがあり、一度でうまく入らない場合のために4回スイッチが押せるようになっているのですが、それでも入らない場合もあり、その時は新しいものを出さないといけないという煩わしさがあったのですが、新しいiStentはスイッチが無制限に押せるようになったのもよい改良点だと感じます。
手術の処置がしやすくなるということは、単に僕ら術者のストレスが減るだけでなく、結果的には患者さんの眼に対する負担も減る恩恵もあり、このように改良をしてくれる企業の姿勢はありがたく、素晴らしいなと思いました。
今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m










