今日は午前のみの外来で、手術の申し込みは白内障1人でした。
今日の外来では、先週と今週で白内障の手術を受けていただいた60代後半の女性の方の術後の経過観察の診察がありました。この方は、5年くらい前から見えにくさがあると受診され、視力も0.5〜0.6程度まで下がっていたのですが、白内障の割に視力の低下の度合いが強い印象で、よく見ると、角膜の後面に所どころ、淡い濁りがみられ、角膜内皮細胞を見る検査をすると、内皮細胞の密度が右950、左860と通常の1/3程度まで減少しており、Fuchs角膜内皮ジストロフィーという病気の存在が疑われました。角膜の裏側が凸凹しているようなイメージで、光が乱反射するので術後に視力が出にくいことや、手術のダメージが出やすく、視力が出るとしても時間がかかることがあり、手術の時にはなるべく角膜を守ることを重視して手術をしたものの、それでもどうなるかと心配していましたが、最初に手術した左眼の方は視力1.0まで徐々に改善し、一昨日手術させていただいた右眼の方も感じはよいとのことでよかったです。このFuchs角膜内皮ジストロフィーという病気はそんなに多い病気ではないですが、時々、いらっしゃり、よく見ないと見過ごされてしまうことや、過小評価されてしまうことがあり、白内障の手術で角膜内皮細胞を保護が大事なことと、単焦点レンズであれば問題はないかと思いますが、多焦点レンズ(レンティスコンフォートも含めて)を使うと、却って見えにくく感じてしまうこともあり、注意が必要かと思います。以前、これくらいなら大丈夫かと思って多焦点レンズを使ったら手術前より見えにくくなったと言われたことがあり、思った以上に影響が出てしまうのだと反省したことがあります。他の病気があれば、なんでもかんでも多焦点レンズは使えないということではないですが、患者さんには少しでも正確な情報を伝えられるように努力したいと思います。
今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m










