院長ブログ

シリコンレンズ

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障3人と眼瞼下垂1人で、今日の手術は、白内障11件(iStent1件)、翼状片1件、強膜内固定の硝子体手術1件でした。

眼内レンズの素材はプラスチックで多くはアクリル素材ですが、シリコン素材のレンズもあり、今日の眼内レンズ偏位で強膜内固定の手術を受けていただいた患者さんの眼内レンズはシリコンレンズでした。

アクリルでもシリコンでも柔らかい素材でできているのでレンズは小さなキズからインジェクターという器具を使い、折り畳んだ状態で眼の中に挿入しますが、シリコンレンズの方が開きが早いため手術時間をより短縮することができます。

眼の中に入ってしまえば、見え方自体はアクリルでもシリコンでも特別の差はありませんが、今日の強膜内固定ではシリコンレンズの不利な面を感じました。それは、シリコンレンズは表面が滑りやすいために、レンズを掴みにくく、アクリルレンズであれば、通常、2.5mmほどの切開創から取り出すことが可能なのですが、今日のシリコンレンズはこのサイズの切開創では引っかかり滑って抜き出すことができませんでした。切開創はあまり大きくしたくないので、レンズを半分に切断して取り出そうともしましたが、今度はハサミが滑ってレンズを切ることができませんでした(支えの部分を引っ張って切ろうともしましたが、容易に外れてしまいました)。そうなるともう仕方なく、切開創をもう少し拡げるしかなく、最終的にいつもより広めの切開創にして取り出せました。

なかなかレンズを取り出すことまで考えてレンズを選択することも少ないかとは思いますし、現在はシリコンレンズはあまり使われないとは思いますが、シリコンレンズでのレンズ偏位はちょっと気をつけて手術する必要があるかと思いました。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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