院長ブログ

モノビジョンのよい適応

今日は一日外来で、手術の申し込みは、白内障9人、眼瞼下垂1人、霰粒腫2人(10か月女の子、6歳女の子)でした。

左右で度数の差をつけて片眼で遠方を、もう片方の眼で近方を見えるようにする方法をモノビジョンと言いますが、白内障の手術でも入れる眼内レンズのピントを左右でズラし遠方から近方まで裸眼で見えるように狙うことがあります。

左右で差があると違和感を感じてしまう人もいるので、こちらから勧めることはないのですが、モノビジョンにしてもいいなと思う人もいます。それは、元々、左右で差がある見え方をしていて、最初からモノビジョンの見え方に慣れている人です。今日、術後の経過観察の受診のあった70代前半の女性の方が正にそうで、先々週に左眼、右眼の白内障の手術を受けていただきましたが、元々、左眼が遠めに、右眼が近めにピントが合うような目をしてして、まず左眼のピントを遠方〜中間に設定し、遠めの視力を確保した後に、見え方を確認し、右眼は近めのままで大丈夫そうとのことで、予定通り、右眼は近方合わせで手術を行いました。結果としては、屈折は右-2.5D、左-0.5Dで遠方視力は右0.3 左1.0、近方視力は右0.8、左0.3で『見え方は大丈夫。近くも老眼鏡がなくて見えている。』と経過は良好でした。

モノビジョンは万人に合う方法ではないと思ってはいますが、このように元々、左右差のある方はよい適応で、よい方法だと思います。ちなみに、左右で少しだけ差をつけるマイクロモノビジョンは、大きなゲインを得られる訳ではありませんが、最近、注目のモノフォーカルプラスレンズとの相性もよく、違和感が出ることも少なく、自然により広く見るためのよい方法だと思っています。

今日も皆さんお疲れ様でした。

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