今日は午前のみの外来でした。
手術の申し込みは、白内障7人、眼瞼下垂1人、黄斑上膜の硝子体手術1人、霰粒腫1人(36歳女性)でした。
今日、白内障手術後のご相談にいらした方は50代の女性の方で、年末に左眼の網膜剥離になってしまい、お正月に硝子体手術と同時に白内障の手術を行い、ピントが10cmくらいで不便だということでした。左眼の近視の度数は-6Dで、元々、強度の近視で右眼も-10Dなので、ギリギリ左右差に耐えうる程度に弱い近視に設定したのだと思いますが、なかなか不便でレンズを入れ換えた方がよいのか、右眼の白内障手術をした方がよいのかとご相談にいらっしゃいました。
元々、近視の方は近くにピントを合わせることも多いのは多いのですが、普段、コンタクトレンズを使っていたということでしたので、中途半端に強い近視にするよりは、ある程度、遠方めに合わせてあげた方が便利で意外とすんなり受け入れやすいこともあり、遠方めに合わせた眼内レンズに入れ換えることも考えてもよいかと思いました。ただ、この方の場合、単純にピントの問題でなく、5Dほどの乱視も残っており、乱視による見えにくさもあるように思えましたので、入れ換えるなら、トーリックレンズを使いたいところでした。なので、この患者さんの希望を叶えるならば、遠方めに合わせた単焦点のトーリックレンズに入れ換える必要があり、逆に言うと、このレンズが使えるならば入れ換えをしてあげればよいかと思いました。
しかし、この患者さんでは、眼内レンズの裏側の水晶体嚢に穴があいているため、うまく水晶体嚢の中に新しい眼内レンズを入れられず、嚢外固定にしなければならない可能性もある程度出てしまい、その場合は、トーリックレンズが使えなくなってしまうことも考えねばなりませんでした。ある程度の遠方にピントの合わせることと乱視を減らすという2つの目的がある訳ですが、嚢外固定では乱視が残ってしまい、目的が半分しか果たせなくなってしまうことも覚悟しなければならないかと思いました。
ただ、この患者さんの場合、希望を叶える方法としては、レンズの入れ換えが唯一ということではなく、追加でレンズを入れるアドオンレンズや角膜をレーザーで削るレーシックでもき希望を叶えることができると考えられました。なので、無理にレンズの入れ換えを行うのではなく、当院で行うのであれば、アドオンレンズの治療の方がより確実で安全で負担も少なくよい方法かとお話しさせていただきました。
レンズの入れ換えだとあまり先にしない方がよい面もありますが、アドオンレンズならば、急ぐ必要も全くないので、ゆっくり考えられ、もし右の白内障手術をするのであれば、それから左眼の治療でも全く遅くはないので、落ち着いてしっかり考えられて尚よいかと思いました。
今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m