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システクトミー

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障2人、眼瞼下垂1人、黄斑牽引症候群の硝子体手術1人でした。
今日の手術は、白内障12件、眼内レンズ交換1件、黄斑浮腫の硝子体手術1件、緊急の網膜剥離の硝子体手術1件でした。

網膜の中心の黄斑部に水が溜まり浮腫んだ状態が“黄斑浮腫”ですが、黄斑浮腫は糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、加齢黄斑変性などの病気が原因で生じ、中心部が霞むような見えにくさを引き起こします。この黄斑浮腫に対する治療も様々なものがありますが、よく行われるのが、浮腫を引かせる薬を眼の中に注射する“抗VEGF薬の硝子体注射”です。しかし、この注射は薬の効果が約3か月程度で、しばらくすると、浮腫がまた出てきてしまい、繰り返しの注射が必要になることも多いですし、最初は注射で浮腫が引いていたのに、途中から中々、注射をしても浮腫が引かないような状況になることもあります。また、硝子体術後の患者さんでは薬がすぐに流れてしまい、効果が出にくくなってしまうこともあります。抗VEGF薬の注射の治療は注射の処置自体はそれほど眼の負担になるものではありませんが、薬代が非常に高く15万円前後するため、保険3割でも1回の治療で約5万円くらいかかってしまい、経済的なお金の面での負担はとても大きいものだと思います。そのため、費用をかけてどこまで注射の治療を行うか、続けるかは議論のあるところですが、黄斑部の浮腫があると、長期的には視力が下がってしまうことが多いので、様々な面で可能な限りは治療ができるとよいかなとは考えています。

今日は加齢黄斑変性で何度も硝子体注射を行ってきた80代の女性の患者さんで、黄斑の浮腫がなかなか引かずに、視力も0.1以下まで下がってしまって注射をこれ以上、続けるのが難しく、黄斑浮腫の手術をさせていただきました。手術は硝子体手術でしたが、元々、硝子体出血で一度、硝子体手術をしているので、残存硝子体はほとんどなく、黄斑の上の膜を1枚剥がし、黄斑部の下に細いセッシを入れ水が溜まった袋(シスト)を取り出してきました(システクトミー)。長引いたり硝子体注射に抵抗性の黄斑浮腫はシストができてしまっているといわれますが、確かに袋があり、引っ張るとその袋が取り出せ、中から、粘稠性の液体が出てくるのが分かり、確かに硝子体注射が効きにくいのが分かりました。当院では手術中にOCTで見ることができるので、浮腫が引くのをOCTでも確認できました。

網膜の変性が強く黄斑浮腫だけの問題ではないため、この手術でこの患者さんの極端な視力の改善は難しいかと思いますが、浮腫が減って少しでも見え方が改善してくれ、今後、硝子体注射を考えなくて済むようになってくれるといいなと思いました。

今日は秋田先生が見学に来てくれました。色々、見てくださり、こちらも勉強になりました。どうもありがとうございました。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

 

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