院長ブログ

学校検診での視力低下

今日は一日外来でした。手術の申し込みは白内障4人(うちiStent併用1人)、眼瞼下垂3人、霰粒腫1人(2歳女の子)でした。

外来ではちょうど学校検診の時期で視力の低下を指摘されたお子さんが多くいらっしゃいます。

視力の低下は悪い病気(矯正しても視力が上がらない病気)ではなく、ほとんどは近視による裸眼視力の低下です。

眼科的には『見えにくければ眼鏡をかければよい』訳なのですが、本人やお父さまお母さまからすると、なるべく眼鏡はかけたくないし、できるだけ近視は進めたくないというお気持ちの方が多いかと思います。

近視や眼鏡に関する考え方は、医師の間でも、患者さまの間でも考え方は様々かと思いますが、基本的には見え方の不自由、具体的に言うと、学校や塾で黒板の字が見えにくい、お出掛けした時に駅の表示や映画の画面などの遠くのものが見えにくいという困ったことがあれば、眼鏡を掛けることを考えたらよいかと僕は思っています。ただ、見えにくいことを我慢することはよくなく、見えにくいことが更に近視を進める方向に作用するとも言われていますので、少しでも近視を進めたくないという点からは、近視が出始めたら早めに眼鏡を掛ける方が結果的には近視の進行をゆっくりにさせると考えています。

近視は遺伝的要素が大きく、お父さまお母さまの両方ないし片方に近視があると、お子さんも近視が出やすいということはありますが、環境的因子も関与するとされています。具体的には、近方作業ですが、現代の生活の中で近くを見るななんてことは無理な話なので、大事なのはずっと近くを見る作業を続けないこと、定期的に眼を休めることです。年齢にもよりますが、小学校低学年では3040分お勉強したら2030分休憩、高学年では1時間勉強したら1015分休憩するくらいがよいかと思います(休憩といっても、その時間にゲームをしたりマンガを読んだりするのは結局、眼を休めていないのでよくありません)。あと、暗い中で近くを見るのもよくないので寝る前にベッドでタブレットを見たり、本を読むこともできれば避けた方がよいと思います。

それから、自費の診療にはなりますが、近視の進行を抑える効果の期待できる点眼の『マイオピン』や夜間につけて日中は裸眼で過ごすためのコンタクトレンズ『オルソケラトロジー』も近視の抑制効果があるとされていますので、こういった治療もプラスαで考えてもよいのかなと思います。

近視はある程度、その人その人で出やすさはありますが、いくつか予防策もありますので、少しでも近視を強くさせないように気をつけるとよいと思います。

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