院長ブログ

眼力さん

今日は一日外来でした。手術の申し込みは、白内障5人、眼瞼下垂1人、霰粒腫1人(5歳女の子)、眼窩腫瘍1人(2歳男の子)でした。

霰粒腫の切開をと他院から紹介され、いらした2歳の男の子は、確かに まぶたの上の奥に腫瘤を認めましたが、霰粒腫ができるまぶたの縁にある瞼板からは離れており、腫瘤自体は眼の周りの骨に固定されているように存在し、表面は滑らかな腫瘤で、おそらくデルモイドシスト(皮様嚢腫)と思われました。

表面の方に出ている部分は一見、小さく見えるのですが、骨の表面の膜(骨膜)から山状に成長するような腫瘤で、その山のてっぺんを触れているのだけで、腫瘤自体は意外と大きいのではと予想します。それで待てば待つほど大きくなる恐れがありますので、あまり先延ばしにせず切除するのが望ましいかと考えました。ある程度、手術時間がかかると思われるので、全身麻酔の方が楽かなとも思いますが、ご両親から局所麻酔での切開のご希望をいただきましたので、可能な限り、対応したいと思います。

眼内レンズ交換の術後の経過観察で今日、いらした46歳の男性の方は、最初の7月の手術ではうまくいかず、10月に2度目のレンズ交換の手術を受けていただき、約2ヶ月の経過で裸眼視力0.9 矯正視力1.2まで回復し、なんとか落ち着いてくれてよかったです。この方は京都にお住まいで、手術の時も、外来通院も遠路はるばる来てくださいます。それだけでも大変だと思いますが、正直、初回の術後の経過があまりよくない中、腐らず、不満や愚痴も言わず、自分の見え方や眼の状況が、なぜそのようになっているのか、どうしたらよくなるのか、僕と一緒に一生懸命考え、2回目の手術を受けることを決断し、ようやくある程度の落ち着いた見え方や生活を手に入れることができつつあるのではと感じています。手術の経過がよくない時、『手術をしなければよかった』とおっしゃる方もいます。もちろん、そう言いたくなる気持ちも分かりますし、そう言いたくなるほど辛いのだと思います。溜め込むことで心がいっぱいになり過ぎてしまうなら、言ってもよいと思います。ただ、それで元に戻ることもなければ、よくなるものでも決してありません。大切なのはこれからどうするかです。手術でも人生でもうまくいかないことはどうしてもあると思います。それを誰も望みませんが、その可能性がゼロなんてことはありません。その時に、どう考え、どう行動できるかで、そのよくない状態のまま過ごすことになるか、よい方向に進むことができるのか、大きく変わってくると思います。反省は大事ですが、後悔ばかりしていても何も生まれないと思います。反省はしても後悔はしないという気持ちが必要だと思います。

この京都の患者さまのように、うまくいかなかったことを生かして、前に進む、そんな気持ちを持った方は、僕のクリニックにいらっしゃる患者さまの中には少なくないと感じています。そういう方と一緒に治療を行っていくことは、医師としてとてもやりがいのある意義深いものだと思っています。治療がうまくいかない時、この患者さまのような気持ちを持つことは簡単なことではないかもしれませんが、そういう状況の方に少しでも希望となればと思います。

そして、この患者さまが京都伏見稲荷大社に祀られる眼力さんという神様の額縁を持って来てくださりました。この眼力さんは『眼の病が良くなる』『先見の明・眼力を授かる』ご利益があるといわれているそうです。

http://www.ganrikisya.com/index.html

このクリニックに通う患者さまみんなの眼がよくなるようにと持ってきてくださったのだと思います。自分のことでいっぱいいっぱいでも仕方がないくらいだと思うのに、このような気持ちは本当にありがたく、うれしく、本当に貴重だと思います。眼力さんの力がみんなに伝わるように、僕らも精一杯の診療をしていきたいと改めて思いました。どうもありがとうございますm(_ _)m

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