院長ブログ

硝子体出血の原因

今日は一日外来で夕方に霰粒腫の切開が2人(1歳女の子、15歳女の子)でした。

手術の申し込みは、白内障5人、眼瞼下垂1人、霰粒腫3人(4歳女の子、15歳男の子、31歳女性)、眼内レンズ交換1人、硝子体出血の硝子体手術1人でした。

硝子体出血の手術の申し込みになったのは、先週の木曜日に急に右眼が見えにくく、受診したところ、眼の奥の方が真っ赤かで出血を起こしている硝子体出血という状態でした。

硝子体出血は網膜の血管の破綻で起こるのですが、その原因としては、

・網膜裂孔、網膜剥離
・糖尿病網膜症(DMR
・網膜静脈閉塞症(RVO
・加齢黄斑変性(AMD
・網膜動脈瘤破裂

が主に考えられるかと思います。

網膜裂孔では網膜が裂ける時に血管も物理的に千切れて出血を起こします。

糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症、加齢黄斑変性では異常な血管である新生血管ができるのですが、この新生血管は脆く弱いので、出血を起こしてしまいます。

動脈瘤というのは血管のコブですが、これも破裂することがあり、出血の量が多いと、硝子体腔まで出血が拡がることもあります。

硝子体出血の原因はいくつかあり、網膜裂孔・剥離や一部のAMDでは早めの手術が必要なことがあり、出血をただ待てばよいというものではありません。出血を取るのは硝子体手術になりますが、出血の原因によっては、それに対する治療が手術の時や術後に必要になることもありますし、出血を取り除いて見え方が改善するかどうかも、原因の病気によるところが大きく、パッとよくなることもあれば、あまり大きな改善が得られない場合もあります。

今回の患者さまは、出血の量が多く、原因がはっきりしないので、症状の改善を図るだけでなく、その原因を探るためにも早めの手術を予定させていただきました。

見え方に影響があるような悪い病気が原因でないとよいですが、出血を取り除いて、少しでもよくなるようにしっかり治療をしたいと思います。

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