院長ブログ

オイル注入

今日は午前が外来で午後は手術で白内障8件、アドオンレンズ1件、眼瞼下垂1人、黄斑上膜の硝子体手術1件、硝子体出血の再手術1件、霰粒腫1人(6歳男の子)でした。

今日の最後の手術は5月の中旬に加齢黄斑変性の硝子体出血で硝子体手術を行った60代男性の再手術でした。前回の手術では、多量の硝子体出血だけでなく、網膜の下〜脈絡膜にかけての出血も広範囲に見られ、硝子体出血は取れる範囲で取ったのですが、網膜の下に出血が溜まって盛り上がっている部分に裂け目が生じ、そこから茶色い古い出血の塊がポロポロ出てきて、これも可能な限りは取り除いて、最後にガスを入れて手術を終えましたが、術後も網膜の下からと思われる出血が続き、眼底の状態も分からなかったので、再度、手術させていただきました。

茶色い古い出血による硝子体出血を取り除くと、前回できた網膜の裂け目から、広範囲の網膜剥離が起こっていました。幸い、網膜の下の出血はほとんど溶けて出てきてくれていたので、網膜の裂け目から水を抜き、その周りをレーザーでくっつけ、最終的には医療用のオイルを入れて手術を終えました。通常の網膜剥離では眼の中に医療用のガスを入れて終えてくることが多いのですが、ガスはいずれなくなり、水に換わるので、その時にまた網膜が剥がれてしまうことを防ぐ目的と、もし、また脈絡膜から大出血を起こすと、眼の中で網膜と網膜がくっついてしまうことがあり、それを防ぐ目的でオイルを入れてきました。ただ、オイルはずっと入れておくものでもなく、落ち着いた状況が確認できれば、またこれを抜く手術が必要になってしまうので、入れればよいというものでもないですが、どうしてもの時の手段の一つだと思います。繰り返しの手術になってしまい、患者さまは大変だったと思いますが、これで出血も網膜剥離も治まり、少しでも見え方が改善してくれるといいなと思います。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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