院長ブログ

レンズ交換のIOL落下

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障2人、眼瞼下垂 人、眼内レンズ交換 人、硝子体出血(糖尿病網膜症)の硝子体手術1人、霰粒腫1人(37歳女性)で、今日の手術は、白内障13件と眼内レンズ交換2件でした。

今日のレンズ交換の一人は多焦点レンズから単焦点レンズへの入れ換えでした。この方の手術で厄介なことは、後発白内障で既にYAGレーザーで後嚢切開がされているため、嚢内固定が非常に難しいことと、後嚢の切開部から硝子体が出てきてしまうので、前部硝子体切除(A-Vit)という処置が必要になることです。

白内障の手術から1年ほど経っていますが、レンズの取り出し自体はそれほど難しくはなく、その後、やはり硝子体が出てきたので、これを切除し、残った水晶体嚢がなんとか使えそうだったので、嚢内固定用のレンズを入れましたが、うまく固定ができず、このレンズも取り出し、嚢外固定用(水晶体嚢の上に乗せて固定する)の度数のレンズを新たに入れるように方針を変えました。しかし、後嚢の切開部がかなり大きく、硝子体も切除してしまっていたので、レンズがそのまま眼の奥の方まで落ちてしまいました。そうなると、しっかりとした硝子体手術が必要になり、硝子体をもっときちんと切除し、落ちたレンズを拾い上げ、嚢外固定をして手術を終えました。レンズを入れてから、A-Vitすればよかったかもしれませんが、硝子体が出ている状況では、レンズがうまく固定できなかったり、硝子体を引っ張ってしまう結果、網膜剥離を起こすリスクもあり、最初にA-Vitを行う選択をしました。結果的には予定よりも大きな手術になってしまい、患者さまには申し訳ありませんでしたが、予定のレンズに入れ換える目的は果たせたので、最低限の約束は果たせたかと思っています。あとは、ちょっと時間はかかると思いますが、見え方も改善して症状が落ち着いてくれるといいなと思います。

今日のもう一人のレンズ交換の方は白内障術後2年で、こちらも少し難渋しましたが、予定通りの入れ換えができました。

白内障の術後どれくらい経っているかも、難易度の要素の一つではありますが、それ以外の要因も大きく影響するのがよく分かる一日となりました。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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