院長ブログ

3種のレンズを入れた男性

今日は一日外来で、手術の申し込みは、白内障4人、眼瞼下垂3人、霰粒腫2人(2歳女の子、26歳女性)でした。

今日の外来では、3年前に当院でレンズの入れ換えをした30代の患者さまが『最近、かすんで見えにくくなった』と久しぶりにいらっしゃいました。

この患者さまは他院で両眼の白内障手術を受け、単焦点レンズで遠方にピントを合わせたところ、近くが見えにくくて不便で困ってしまい、レンズの入れ換えを行いました。

まず左眼を多焦点レンズ(3焦点レンズ;パンオプティクス)に入れ換えましたが、『近くも見えるようになった。でもなんとなくかすむ。右は違うレンズにしたい。』

ということで、右眼はレンティスコンフォートに入れ換えました。それで、『前よりは近くも見えるようになったし、左よりはすっきり見える。』ということで、一件落着かと思いきや、『左眼もレンティスにしたい』と希望され、左眼もレンティスコンフォートに入れ換えました。

左右で違うタイプのレンズを入れたり、レンズ交換をしてもせいぜい1回か複数回でも種類は同じだったりの方が多いのではと思いますが、この患者さまは左眼を単焦点レンズ多焦点レンズ(3焦点レンズ)レンティスコンフォート(低加入度数分節型レンズ)と3種類のレンズを一つの眼で経験したおそらくとても貴重な経験の持ち主だと思います。

この患者さまは、『単焦点は見える範囲は狭いけれど、くっきり見えるところはよく見えた。多焦点レンズは確かに広い範囲が見えて便利だけど、なんとなく見えにくくて、その見えにくさは眼鏡をかけてもよくならなくて、ずっとこのままいくのは嫌だなと思った。レンティスはその中間でまあまあの範囲が見えて、まあまあくっきり見えるから、自分にはこれが一番いいかなと思った。』と言っていましたが、とても参考になる貴重な意見だと思います。そして、最後に『どのレンズも一長一短で完璧なレンズはないと思った。』とも言っていました。完璧なレンズがない中で、そのレンズの特徴が自分の希望になるべくマッチするレンズを選ぶことが大事なんだと思います。

ちなみに、今回の症状の原因は後発白内障で、本日、YAGレーザーの治療を行って帰っていただきました。

貴重な体験談をありがとうございましたm(_ _)m

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