院長ブログ

粘液腫

今日は午前は外来、午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障2人で、今日の手術は、眼瞼下垂2人、霰粒腫1人(3歳女の子)、眼瞼腫瘍切除1人(8歳女の子)でした。

今日の手術では、8歳の女の子のまぶたにできた粘液腫という眼瞼腫の切除がありました。腫瘍の場合、ある程度、見た目で判断はできますが、ここまで粘液腫と言い切れるのは、実は、約1年前に一度切除し、病理検査で診断を受けていた腫瘍の再発だからです。前回は術前にはっきりとした診断はできなかったものの、良性腫瘍と考えられたので、まぶたの縁にできている腫瘤を単純に切除し、手術を終えました。切除したものは、顕微鏡の検査に出し、乳頭腫や伝染性軟属腫などを想定していましたが、返ってきたのは、予想外の粘液腫という結果でした。また、病理の先生からは、僕は知らない病名でしたが、全身性に粘液腫ができるカーニー複合という病気の可能性もあるというコメントもいただき、大学病院の小児科で詳しい検査もしていただくことになりました。

まぶたの腫瘤の切除後はしばらくよかったのですが、この夏くらいからまた腫瘤が目立ち始め、再度、切除させていただくことになりました。今回はまぶたの縁に出ている部分だけでなく、まつ毛の生え際のあたりまで、腫瘤が拡がっていることが分かったので、切開を延ばし皮膚の下の腫瘍成分は可及的に取り除き、腫瘍のあった表面を焼灼し、皮膚を縫合して手術を終えました。切開を頑張って受けてくれたおかげで、腫瘍はしっかり取れたと思うので、なんとか今度は再発しないでくれるといいなと思います。頑張ってくれてありがとうございました。

粘液腫という腫瘍は正直、僕は初めて経験した病気でした。何人かまぶたの病気に詳しい先生にも聞いてみましたが、やはりあまりない病気のようでした。なので、この病気でそんなに困る人は多くはないかもしれませんが、カーニー複合という病気と関連し、検査を受けることが大切なこともあり、誰かの役に立てばと書かせていただきました。少しでも何かの参考になるといいなと思います。


↑前回の切除前


↑今回

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