院長ブログ

埋没後の糸 

今日は一日外来で、手術の申し込みは、白内障8人、眼瞼下垂3人、霰粒腫2人(3歳男の子、3歳女の子)、黄斑上膜の硝子体手術1人、眼内レンズ摘出1人でした。

今日の外来では、30代の男性が、『2か月前から左眼がゴロゴロして、瞬きをすると痛い』という症状で、2週間前に他院を受診したところ、“ドライアイ”と言われ、点眼を出されたものの、改善しないため来院されました。確かにドライアイでもおかしくない症状ではありましたが、症状が具体的ではっきりしているとこと、点眼でも全く改善しないということで、なんとなく何かありそうな気がしたので、染色してみると、角膜(黒目)の上の部分に擦り傷のようなキズがあり、まぶたの裏側をめくって見てみるとポツっと赤い膨らみがあり、『もしかして、まぶたの手術、二重の手術を前に受けていますか?』と伺うと、『はい』というお答えで、点眼麻酔をした上で、そのポツっとした盛り上がりの中を探ると、糸が出てきました。“ゴロゴロする”という症状はドライアイでもよくみられる症状ではありますが、この患者さまのように、“まばたきをする時に痛い”という時は、まぶたの裏側に何かできている、もしくは何かある(異物が入っている)ということがたまにあります。特に、埋没法の二重手術を受けた方は何年かして糸が切れて、まぶたの裏側に糸が出て、角膜の表面に糸が当たり擦れて痛みや異物感が出るので、もし心当たりのある方は、まぶたをしっかりめくって診てもらうとよいと思います。ただ、普通にしている時は糸が出ていても、まぶたをめくってしまうと、引っ込んで、糸の確認ができない場合もありますが(今回もまぶたをめくった状態では糸は見えませんでした)、通常、まぶたの粘膜面の変化を伴うので、所見から原因を疑うことはできるかと思います。

最近、二重手術を受けている人も多く、このような状態の人も出てくるかと思いますので、ご参考になればと思います。

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