院長ブログ

強度近視のもう片眼

今日は午前のみの外来で、手術の申し込みは、白内障1人でした。

今日、外来を受診された30代半ばの女性は、元々、強度近視で左眼を4年ほど前に外傷性の網膜剥離で手術し、その後、白内障が進行して遠方に合わせた単焦点レンズで手術を受け、左眼が遠くしか見えないのが不自由でなんとかしたいということと、右眼も白内障が進行してきてしまい、相談にいらっしゃいました。

左眼は網膜剥離の術後ということで単焦点レンズがよいと勧められ、年齢もお若く、コンタクトレンズを使う生活スタイルだったということで、単焦点レンズの遠方合わせにしたそうです。

強度近視の人は単焦点レンズの場合、近方合わせにすることも多く、ずっと裸眼で近くを見ていた方や術後も眼鏡を使う方は、それでもよいと思いますが、コンタクトレンズを使う方は遠方を見るためにコンタクトを入れ、近くを見るには、その上から、老眼鏡を使わないとならないため(遠近のコンタクトにするのもよいですが)、遠方に合わせてしまう選択自体は悪くはなかったと思います。

ただ、結果的には網膜剥離の手術がとてもうまくいっているので、多焦点でもよかったかもしれませんし、単焦点の遠方合わせでも、若干遠方を落として、もう少し近方が見えるような合わせ方でもよかったかなと思います(もちろん、多焦点で不具合が出ると嫌だなと思ったり、術後、しっかり遠方が見たいという希望であれば、その選択で問題ありませんが)。

現状では、右眼も白内障で視力が0.2程度まで低下して見えず、左眼は遠方しか見えないという状況で、どちらの眼もなんとかしたいと思うかもしれませんが、片方の眼だけでも見えるようになると、だいぶ違うので、まず右眼を多焦点か単焦点レンズ(アイハンスがいいかなと思います)の遠方め合わせ(ぴったり遠くでなくともよいと思います)で白内障手術をしてみて、それで不自由があれば、左眼の多焦点アドオンレンズを入れる方向がよいのではとお話させていただきました。右眼の白内障が進む前の見えている時期でも不便があったとのことで、右眼の手術だけでは十分な改善が得られないかもしれませんが、まずは右眼の手術をしっかり行うことが大事だと思いました。

今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m

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