院長ブログ

瞳孔径と多焦点レンズ

今日は午前が外来で、午後はまぶたの手術でした。
手術の申し込みは、白内障2人、霰粒腫3人(4歳女の子、5歳女の子、11歳女の子)、黄斑上膜の硝子体手術2人でした。

今日は50代半ばの男性の方が、他院で『狭隅角症で早めに白内障の手術をした方がよい』と言われ、実際に手術した方がよいのかと相談でいらっしゃっいました。遠視の眼で前房がやや浅く、確かに早めの白内障手術を考えてもよさそうではありましたが、隅角はそれほど狭くはなく、もう少し様子を見てもよいのではとお話させていただきました。この方のように遠視の人は視力自体は良好のことが多く、白内障の手術を受けるとなると、なかなか踏ん切りがつきにくいお気持ちもあると思います。また、遠視が強い眼では白内障の手術の時に使う眼内レンズに適切な度数がなく、使えるレンズやピントの位置に制限が出てしまうことがります。

この患者さまの場合、もし白内障の手術を受ける時に問題になりそうだったのは、瞳孔が直径1.5mmとだいぶ小さく、多焦点レンズが適応になりにくいというところでした。瞳孔というのは光の入る量を調整する絞りのような構造で、瞳孔の大きさというのは、なかなか、自分で意識しにくいところなので、多焦点レンズが向かないと言われると納得できないかもしれませんが、多焦点レンズには非常に重要とされ、瞳孔が小さ過ぎても大き過ぎても良好な視力が得られません。もちろん、全く見えないというものでもないので、ある程度、見えればよいという考えのもと、多焦点レンズを使うこともいけなくはないかもしれませんが、瞳孔が大きかったり、小さ過ぎる人はなるべくなら単焦点レンズを選んだ方がよいかと思います。

今週も皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m

TOPへ