今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障1人、眼瞼下垂2人、硝子体手術2人でした。
今日の手術は、白内障12件と黄斑上膜の硝子体手術1件でした。
今日の外来では、先々週、左眼、先週、右眼の白内障の手術を受けてくださった60代半ばの方の経過観察の診察がありました。この患者さんは眼の前のスペース(前房)が狭く、急性緑内障発作を起こすリスクがある眼でしたが、視力自体は良好で見え方の不自由もないため、ある眼科では“すぐに手術する必要はないから”経過観察と言われ、また他の眼科では“すぐに手術が必要”と言われ、どちらの意見が正しいか分からなくなって当院を受診されました。この場合、経過観察が正しいか、手術するのが正しいか、一概にどちらの判断が正しいとか間違いということではなく、どう考えるかだと思います。視力が良好で手術することで見え方への不安があるならば注意しながら経過を見ていくのもアリですし、緑内障発作を起こしてしまうと大変なので不安を
抱えたまま生活していくのが心配であれば手術を受けるべきだと思います。ただ、緑内障発作を起こしやすい方で白内障自体が進んでいない段階では、視力自体は良好方が多く、手術の時に入れるレンズによっては術前よりも遠方の視力が落ちたり、老眼が進んだ感じで見えにくいと感じてしまう方も時々いらっしゃいます。白内障が進んでいれば、このようなことも気にならないのですが、白内障が軽い段階や若い方ではどうしても術後にこのような感じ方をすることがありますが、これはどの時期に受けても術後の見え方は変わらなくとも、受ける前の状態との差からの感じ方と考えていただければと思います。
なかなか難しい問題ですが、この患者さんの術前と術後の前房の様子を見ると、だいぶ広くなっているのが分かり(色がついているのが術後)、白内障の手術をすると緑内障発作が防げることが理解しやすいかと思います。この患者さんも前房が深くなった写真を見て『手術してよかったです』と安心してくださりよかったです。
今日もお疲れ様でしたm(_ _)m