今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、霰粒腫1人(9歳男の子)で今日の手術は、白内障15件、アドオンレンズ摘出1件、IOL位置修正1件でした。
今日の手術の60代の女性の患者さんは右眼の手術を他院で行い、左眼の度数を決めかねて、当院で手術を行うこととなりました。お仕事がカメラマンなのですが、見え方に敏感で、尚且つ、レンズのことにお詳しいので、眼内レンズの選び方も慎重になってしまう職業の一つだと感じています。
当院では、術前に一度、専門の検査員から眼内レンズの説明をさせていただき、ご本人の希望を聞きつつ、どのレンズにするか、ピントの位置はどこがよいかをある程度、指針を出し、術前の説明の際に、僕と話をして最終的に決めるようにしています。ただ、一旦決めても、手術までの間に、やっぱりレンズの種類やピントの位置を変えたいと考え直す方もいらっしゃいます。レンズは院内に在庫として揃えているものもありますが、基本的にはその都度発注しますので、急に手術前日や当日に言われても変更が間に合わない場合がありますので、基本的には変更は手術の4日前までに申し出ていただくように取り決めています。
この女性の患者さんは事前に軽度の近視にすると決め、レンズを発注していましたが、昨日、電話(術前後の緊急連絡用で番号をお伝えしています)で『やっぱりもう少しレンズを弱めたい』と連絡をいただきました。ここで注意をしなければならないのは、『レンズの度数を弱める(減らす)=ピントがより近くになる(近視が強くなる)』ということではありません。眼鏡やコンタクトレンズであれば、度数を弱めると、遠くが見えにくくなり、近くが見えやすくなりますが、眼内レンズはプラスのレンズなので、近くを見えるようにするには、眼内レンズの度数を上げる必要があり(老眼鏡をイメージすれば分かりやすいかと思います)、眼内レンズの度数を減らすと、ピントとしてはより遠方に合うようになります。ニュアンスから、近くを見えるようにしたいのだと思いましたし、『もっと近くが見えるようにしたいのですよね?』と確認したので大丈夫でしたが、より近くを見えるようにしたい時に『レンズの度数を弱くして欲しい』と伝えてしまうとよからぬトラブルへつながりかねないので、きちんと“ピント”を近くにしたいのか、遠方にしたいのかを伝えるとよいかと思いました。ちょっと細かい話でいらないことかもしれませんが、何かの役に立つとうれしいなと思います。
ちなみに、この患者さんは直前の変更になりましたが、前後1段階ずつのレンズは予備で準備はしているので、なんとか希望のレンズが使えてよかったです。でも、直前では間に合わない場合も十分あり得ますので、レンズは余裕を持って決めていただき、変更の期限もお守りくださるよう、ご協力お願いします。ただ、期限を過ぎてしまっても、やっぱり変更したいと思ったなら、間に合わないから仕方なく希望でないレンズを入れることは後悔につながるかと思うので、その時は手術日を変更してでも希望のレンズを使う方がよいかと思います。
今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m