今日は一日外来で、手術の申し込みは、白内障5人、眼瞼下垂2人、霰粒腫3人(3歳女の子、5歳男の子、28歳女性)、眼内レンズ交換1人、眼内レンズ位置修正1人でした。
先週、眼内レンズの位置修正を行なった70代の女性の方はの経過観察の診察がありましたが、近視の値が−1Dから-0.5Dまで減少し、視力も裸眼0.7から0.9まで改善し、ひとまずは経過良好のように思えました。ただ、ご本人は、『前よりはよくなったけれど、やっぱりすっきりしない』とおっしゃり、レンズの入れ換えをして欲しいということでした。若干の後発白内障があるので、そのせいかなとも思いましたが、視力検査で矯正のレンズをかけて見た時はすっきり見えたとのことで、やはり度数の問題があるようで、確かにその分の度数を調整したレンズに入れ換えると改善する見込みがあると思われました。
白内障の手術の後の見えにくさに対し、『眼内レンズを入れ換えて欲しい』と相談くださる方も多いですが、レンズの度数に関して、レンズを入れ換えてよくなるかは、この方のように眼鏡で度数を変えてよくなるのかどうかで、ある程度の判断ができます。単焦点レンズでも多焦点レンズでも眼鏡で見え方が改善できるのであれば、その眼鏡の度数に相当する分を眼内レンズで補正してあげれば見え方が改善すると見込めます。一方、レンズの度数が問題と思っても、眼鏡で改善がないのであれば、少なくともレンズの度数(だけ)の問題ではないということになり、眼内レンズの度数を変えても見え方がよくなることが期待できず(そもそも入れ換えるレンズも決めることができません)、入れ換えよりも他の要素を考える必要がある訳です。
この患者さんの場合は、もし入れ換えをするとなると、0.5D程度の度数を変えることになり、なかなか難しい面もありますが、ご本人の希望も強く、確かによくなる可能性も十分あるので、前向きにレンズ交換を考えたいと思います。