院長ブログ

強度近視の片眼手術ピント問題

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障3人、眼瞼下垂1人、霰粒腫2人(51歳女性、52歳女性)で、今日の手術は、白内障16件でした。

今日、術前説明でご予約のあった50代後半の男性の方は2019年7月に単焦点近方合わせで左眼の白内障手術、2020年1月にミニウェルへ入れ換えしたもものの、IOL偏位があり、3回の位置修正を行った上で当院受診、当院でも一度、位置修正を試み多少の改善をみましたが、初回のレンズ交換の際に残した脚が邪魔をするため、なかなか完全にはよくならず、もう一度、残った脚を取り除き位置修正を予定していました。しかし、まだ手術をしていない右眼はよく見えていて困っていないため、左眼を単焦点で右眼と同じ度数にしたいという希望をいただきました。

左眼は-6Dほどの近視で最初の白内障手術では近視を軽くしましょうと-3Dを狙ったそうですが、この見え方もよいとは感じられず、眼鏡も使いにくく、入れ換えに至ったそうです。このように近視が強い人で片眼の白内障の手術の時に、手元が見やすいとされる30cm程度にピントを合わせることはよくあり、大体の場合はうまくいくかと思います。ただ、これが全てではなく、結局、左右差がつくと眼鏡も使いにくく、不便と感じる方も時々、いらっしゃるようです。この方の場合も、-6Dの近視に戻すとなると、勿体無い気もしてしまいますが、ご本人が今の多焦点の見え方や最初の一般的にはちょうどよいとされる近視の状態がよくないと感じている以上、今のまま不便に過ごす方が勿体無いことなのかと思います。なので、レンズの位置修正ではなく、単焦点で右眼に合わせた-6D程度になるようにレンズを入れ換える予定とさせていただきました。

あとは、右眼の白内障が進んできたらどうするのかという問題はありますが、その時はまたどうするか考えればよいかと思います。

強度近視の片眼手術ピントの問題は、元々の近視の値のままにする、ちょうどよい近視にする、また別の度数にする、色んな選択肢の中で、人それぞれで正解がことなり、その人に合ったものを選ぶことが大事で、正解は結果的に手術してからの答え合わせになってしまうことが、難しいところだと思います。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

TOPへ