院長ブログ

再度の虹彩縫合

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障4人で、今日の手術は、白内障9件、黄斑上膜の硝子体手術1件、虹彩縫合1件でした。

今日の手術では、外傷後の瞳孔散大で眩しさによる見えにくさを感じている男性の患者さんで、瞳孔を縫い縮まる虹彩縫合がありました。元々入っていた眼内レンズが混濁したことで、昨年、レンズの入れ換え(強膜内固定)と虹彩縫合を行っていましたが、術後、瞳孔の閉じ方が弱くなり、次第に眩しさが強くなり、手術直後の方が見えたと感じるようになったため、また虹彩を縫って欲しいと頼まれました。はい、分かりましたと二つ返事で答えたいところでしたが、虹彩はとても柔らかく繊細な組織な上に、角膜と虹彩の間の3mmほどのスペースで針を使った操作をしなければなりませんし、外傷後で部分的にボロボロになっているところを縫うことは簡単なことではありません。場合によっては予期せぬ針の動きによって、虹彩が千切れ、余計に瞳孔が拡がってしまう恐れもありますし、角膜の内皮細胞を痛めてしまうと、角膜の濁りを生じてかえって見えにくくなってしまう心配もあります。なので、無理に手術しなくてもよいのではとお話していましたが、そのリスクを承知いただいた上で、ご本人の希望を踏まえて手術させていただきました。実際、手術はちょっと大変でしたが、なんとか無事虹彩を縫え、5mmくらいの瞳孔が3mmちょっとまで縮んでくれ、とりあえずは大きなトラブルなく終えられてよかったです。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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