院長ブログ

度数がズレた時のもう片眼

今日は午前は外来、午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障2人と眼瞼下垂1人で、今日の手術は、眼瞼下垂2人、睫毛内反1人、眼瞼内反1人、霰粒腫3人(5歳女の子、歳、 歳)でした。

眼内レンズは眼の表面のカーブ(角膜屈折力)や眼の長さ(眼軸長)、角膜から水晶体までの距離(前房深度)などからの計算で、これくらいの度数のレンズを入れると術後はこれくらいの焦点距離になる“だろう”という推測のデータを出し、患者さんの希望を踏まえながら選択することになります。あくまで計算と推測なので、どうしても誤差は生じ得ます。先週、右眼の白内障手術を受けていただき、単焦点レンズで近方合わせをご希望された70代半ばの女性の方は、術後の遠方の裸眼視力が0.9で屈折が-1.0Dと遠方めにズレてしまった状況でした。近方に合わせるといっても、元々、-2D弱の軽めの近視だったので、狙いも-1.75Dにしたので約1D程のズレが出てしまいましたが、次の左眼の手術でどうするかというのはちょっと厄介な問題です。それは、左右とも同じように計算がズレることもあれば、そうでないこともあるからです。そのため、どうしたかというと、1Dのズレを最初から予測してその分、更に近方めの度数を選ぶかことも選択肢でしたが、もし計算通りになってしまうと、左右差が強くなって不快な見え方になってしまうこともあるので、加減して、0.5Dだけ

近視気味に-2.5D狙いとしました。結果、左眼はズレが生じず、-2.5Dで視力は0.2でしたが、『近方はよく見える』となってくれ、懸念の左右差もさほど気にならず、『遠くも近くも裸眼で見えそう』と喜んでくださいました。この患者さんの場合はうまくいってよかったですが、片眼で計算がズレた方のもう片方の眼のレンズ度数選択はとても難しく、まずは、そのことをご理解いただくことと、色々な可能性を考えて、どう転んでも大きなダメージがない度数を選ぶことが大事だと思います。

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