院長ブログ

レンズが裏表逆に入ると

今日は午前は外来、午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障3人と眼瞼下垂2人でした。
今日の手術は、眼瞼下垂3人、霰粒腫4人(2歳男の子、36歳女性、50歳女性、58歳女性)、涙管チューブ1挿入人でした。

昨日は有水晶体眼内レンズ(いわゆるICL)の手術がありました。ICLの手術は通常、両眼を同日に行うことがほとんどかと思いますが、この患者さんも両眼の手術でまず最初の右眼の手術は問題なく終わったのですが、左眼ではちょっと問題が生じ、レンズが裏表逆に入ってしまいました。白内障の手術の時の眼内レンズであれば、そのような状況でも、眼の中で回転させ、面裏を直すことができますし、そもそも、面裏逆でも見え方には問題がないとされています。しかし、ICLの手術では、前側には角膜、後には水晶体があり、その間の約2.5mmのスペースで、角膜も水晶体も触れずにレンズを回転させることは不可能で、表裏逆に入ったレンズは一度抜き出さなければなりません。そのため、この患者さんでもキズを少し拡げてレンズを抜き出し、再度、新しいレンズを入れてようやく手術を終えることができました。僕はアイクリルという有水晶体眼内レンズ手術用のレンズを使っていますが、このレンズはアクリル製で素材がしっかりしていて安定がよい反面、その硬さがアダになり、このようにレンズを抜き出す時にはなかなか出しにくく不利になります。なので、レンズの出し入れはちょっと大変でしたが、なんとか無事、レンズを入れられ、今日の検査でもまだ角膜の炎症が強く視力は0.8まででしたが、ひとまず経過はよさそうで、よかったです。この方はわざわざ四国の方から来てくださったのに申し訳なかったですが、時間で落ち着いてくると思いますので、少しお待ちください。

 

TOPへ