院長ブログ

なんとか失明せずに

今日は午前は外来、午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障1人と黄斑上膜の硝子体手術1人でした。
今日の手術は、眼瞼下垂3人、眼瞼腫瘍切除1人、霰粒腫3人(1歳女の子、3歳女の子、6歳女の子)でした。

今日は、昨日、右眼の緑内障の手術を受けていただいた80代の男性の方の術後翌日の診察がありました。この方は、元々、都内の大学病院に通っていて、左眼も緑内障や角膜移植の手術を受け、最終的に失明してしまい、右眼も進行した緑内障があり、視力は0.03とかなり見えにくくなっており、緑内障に対しては点眼を目一杯使っても眼圧が25mmHgを超え、このままでは遅かれ早かれ右眼の失明も避けられない状況でした。しかし、眼圧を下げるために緑内障の手術をすれば、残っている視野がその手術の侵襲によって消失してしまい(wipe out)、結果として術後に失明してしまう可能性も考えられ、元々の大学病院の方でも手術はしない方がよいと言われていました。ただ、この患者さんは何もしないで失明を待つよりは、失明しないわずかな可能性でもあるのであれば、リスクがあっても手術したいとおっしゃってくださったので、今回、手術をすることとなりました。失明するリスクをご理解しての手術でしたが、だからといって失明しても仕方がないと僕も思えませんし、少しでも視機能が残ってくれるように、残って欲しいと思って手術はしましたが、今日の視力は0.01で眼圧も下がってくれ、なんとか失明せずに経過してくれて本当によかったです。もちろん、これからまた眼圧が上がってしまうこともありますし、視力も下がってしまうこともあるかとは思いますが、頑張って手術を受ける決意をしてくださった患者さんの気持ちに答えられるよう、少しでも視力が維持できるように診ていきたいと思います。

TOPへ