今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障2人と翼状片1人で、今日の手術は、白内障14件と黄斑上膜の硝子体手術1件でした。
今日、両眼の見えにくさで受診された80歳代の女性の方は、視力が右0.4左0.7と低下しており、白内障が強く、その影響が強いと思われました。ただ、白内障だけでなく、両眼とも大きな翼状片も存在し、右5.5D左1.5Dと角膜乱視も強くなっていました。翼状片は結膜の組織が角膜に異常侵入してしまう病気で小さいなものは見え方に影響がないことが多いですが、大きく中央に成長してくると、角膜の歪みを作り乱視が強くなってしまします。翼状片を治すには手術するしかありませんが、一旦乱視が強くなってしまうと、手術をすれば乱視がなくなるものでもないので、乱視が強くなる前に手術をすることが大事かと考えています。そして、この患者さんのように白内障と翼状片を両方お持ちの方もいらっしゃいますが、この時の手術の順番は、ある程度大きな翼状片の場合は、基本的にはまず翼状片の手術をして、その後に白内障の手術をすべきだと考えています。その理由は、翼状片を取ると、乱視がゼロにならないとしても、屈折(近視や乱視)が変わる場合があるからです。先に白内障の手術をしてピッタリな度数の眼内レンズが入ったとしても、その後に翼状片の手術をして屈折が変わってしまうと、結果的に先に入れた眼内レンズの度数が適切でなくなってきてしまいます。それを防ぐために、まず翼状片の手術をして、角膜の状態が落ち着くまで1か月程度、間をあけ屈折が安定していることを確認してから、白内障の眼内レンズの検査をしてレンズ度数を決める方が、よりよい手術の経過につながるかと思います。ただ、翼状片の手術では角膜の表面を削り、結膜も糸で縫うので、ヒリヒリ、チクチク痛みを伴うことが多いので、翼状片の手術だけで嫌になってしまうかもしれませんが、白内障の手術も必要な方はどうかご辛抱いただき、白内障の手術まで頑張っていただきたいなと思います。
今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m