今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障1人と眼瞼下垂1人で、今日の手術は、白内障 件でした。
今日の外来では今年の6月に両眼の白内障を受けた70歳代半ばの女性の方から、『右眼はなんともないけれど、左眼は違和感がずっとあって、手術が失敗したんじゃないの?』と言われました。視力は術前の裸眼右0.4 左0.2、矯正1.2 0.8から裸眼1.2 0.8 矯正1.2 1.2に改善し、レンズもきちんと入っていて、切開創もきれいで、経過としては全く問題がないような状態でした。白内障の手術は短くとも手術は手術で、角膜に切開を入れて行いますから、どうしても多少の違和感が出ることはあります。全く違和感がないとおっしゃる方もいれば、しばらくゴロゴロしたり、何かあるような異物感を感じる方もいらっしゃいます。体の他の部分、お腹でも手脚でも手術で切れば、多少の違和感が出ることは当たり前のことですし、やむを得ないことです。それを失敗と感じるのは患者さんの自由ではありますが、実はこの患者さんから『失敗じゃないの?』と毎回診察の度に言われていて、毎度毎度きちんと説明をしていましたが、来月、眼瞼下垂の手術を控えており、ここまで話が通じないのであれば、まぶたの手術でも経過が問題なくともまたおかしく感じられ、お互いに不幸な経過、結果になってしまうことが強く予想され、眼瞼下垂の手術はやめましょうとお話しさせていただきました。
病気や病態として難しい患者さんでもできることがあれば、できる限りの手術は引き受けようと思っていますが、唯一、引き受けられないと感じるのは、患者さんにこちらの話すことが通じないケースです。手術で一番大事だと思っているのは、信頼関係で、患者さんから信頼をいただけなければ手術を任されることもないですし、逆に、僕も患者さんを信用できなければ、手術はすべきでないと思っています。でも、これは手術だけのことではなく、いろんなことに共通で、意識していないけれど、当たり前のことです。レストランで外食をする時だって、悪いものが入っていないと信用して食べる訳ですし、電車や飛行機に乗る時だって、安全に乗せてもらえると思うから乗る訳です。レストランの人もお客さんが食べたらちゃんとお金を払ってくれると思って、食事を提供する訳ですし、電車や飛行機の会社だって、お客さんがルールを守って乗ってくれると信用するから乗せる訳です。不適格な場合は、入店や乗車を拒否されることも当然あることです。
今回の患者さんにもなんとか予定通りに手術を受けてもらえるように、できる限りの説明をしコミュニケーションをとってきたつもりですが、残念ながら僕はこの患者さんを信用できないと判断せざるを得ませんでした。どんな患者さんでも手術せうべきじゃないかという意見もあるかと思いますが、お互いが不幸にならないために考えていることなので、どうかご理解いただければと思います。
今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m










