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強度近視の眼内レンズ選択の制限

今日は一日外来で、手術の申し込みは、白内障5人、眼瞼下垂1人、霰粒腫2人(5歳女の子、67歳男性)でした。

今日、受診された60代前半の女性の方は右-18D 左-15Dの強度近視の眼で白内障により視力が低下していました。

白内障で視力が下がっている上に近視もすごく強く、手術するとだいぶ生活が楽になるため、手術を勧めさせていただきました。

ただ、この方のように近視がすごく強いと、他の方に比べていくつかの制限が出てきてしまうところがあります。

眼の長さが長いことでの強度近視の場合、レンズの光を曲げる力はそんなに必要がないので、レンズパワーとしては弱い度数で済みます。多くのレンズ+5.0〜から用意されていますが(レンティスコンフォートなど+10.0D〜のものもあり)、強度近視ではそれよりも弱い度数のレンズを使わないといけなくなり、そのようなローパワーレンズは基本的に形状が3ピースタイプになり、乱視を矯正するトーリックタイプが使えないこと、選定療養で使える多焦点レンズがないこと、あと、通常は度数が0.5D刻みのところ、1D刻みとなり細かなピント設定ができないことなどの制限が出てしまいます。

国内の一般的な多焦点レンズやレンティスコンフォートやトーリックレンズが使えない可能性や、単焦点レンズでも希望のピント(遠合わせ)に合わせられない可能性があります。

もし、そのような状況で、どうしても多焦点レンズやトーリックレンズ、遠方合わせの単焦点レンズを使いたいならば、海外から輸入する自費のレンズであれば、適応になる場合があります。

また、国内で使えるレンズをまず使ってみて、残った近視や乱視に対しては、アドオンレンズやレーシックで調整するという2段構えの治療の方法もあります。

強度近視の方は、国内で一般的に使えるレンズの制限から、他の人よりは希望を叶えにくいというちょっと悩ましいこともありますが、いくつかの方法があるので、諦めずに治療を考えるとよいと思います。

今日もお疲れ様でしたm(_ _)m

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