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硝子体出血の手術時期

今日は午前が外来で午後は手術でした。
手術の申し込みは、白内障3人で、今日の手術は、白内障14件(iStent併施1件)と硝子体出血の硝子体手術1件でした。

今日の硝子体手術は歳の方で長引く硝子体出血を取り除くための手術となりました。硝子体出血は色々な病気が原因で起こってきますが、その原因によって早く手術しないといけないことも、ゆっくり待ってもよいこともあります。

出血は血管が切れることで起こりますが、網膜が裂けることで起こる網膜剥離でも血管が切れて出血を起こすことがあり、放っておくとどんどん網膜剥離が進んでしまうので、緊急的な手術が必要です。また、未治療の糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症では、出血だけでなく、眼の中に膜が張って網膜剥離を起こし重症化しやすく、出血が引いてレーザー治療ができれば待った方がよいですが、なかなか出血が引かない場合は放っておくと手がつけられなくなってしまいますので、あまり先延ばしにしない方がよい硝子体出血と考えられます。一方、糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症でも過去に広い範囲の網膜のレーザー治療をしているような経過がはっきりしているような場合は、出血も一時的なこともありますし、経過を見ながら手術の時期を検討してもよいかと思います。ただ、出血が急に大量に起こった場合、眼の中の状況が分からないこともあり、原因を探す目的も含めて比較的緊急的な手術が望ましいケースもあるかと思います。

今日の患者さまは元々、網膜中心静脈閉塞症の既往があり、汎網膜光凝固術を行っており、薄っすら見える網膜は剥がれている様子もなかったので、出血してからしばらく経過を見て、自然に引かないとの判断で手術を予定し、本日行いました。

硝子体出血にはこの患者さまのように待てる出血もありますが、原因や経過によっては緊急的な手術が望ましいこともありますので、時期を逃さないことも大事かと思います。

今日も手術、お疲れ様でしたm(_ _)m

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