院長ブログ

先月の手術(2022年2月)

先月2月の手術の報告です。

先月2月の当院の手術は、白内障58件(多焦点眼内レンズ10 乱視矯正トーリックレンズ14 iStent併用8 )、硝子体手術4件(強膜内固定1件)、眼瞼下垂17件、霰粒腫11件、眼内レンズ交換4件などでした。

最近、緑内障のある患者さまの白内障手術で『水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術』という術式でiStent(アイステント)という小さな(1mmほど)チタン製の管を隅角という眼の中の水が眼の外へ流れ出る場所に留置して眼圧を下げる目的の処置を一緒に行うことが増えてきました。手術時間は白内障手術に510分程度余計にかかりますが、一緒にできることはメリットです(保険では白内障手術と一緒にしか使えません)。費用は、普通の白内障手術(水晶体再建術+眼内レンズ挿入)で12,100点のところ、iStentでは27,990点と2倍ちょっとですが、ひと月に両眼の白内障手術を受けると、その月の医療費上限に達してしまう方が多いと思うので、同月に両眼の手術をするならば、白内障だけでもiStentを入れても自己負担としてはあまり変わらない方が多いのではと思います。そうでなくとも、うまく眼圧が下がって、その後の緑内障点眼を減らすことができれば、長い目で見ると、結果的には金銭的な負担も減らせることも期待できると思います。白内障手術だけでも眼圧は下がることはありますが、iStentを使う方はより確実に眼圧を下げることができると感じています。緑内障点眼は副作用が強く出てしまう方もいますし、使わないに越したことはないかと思います。ですので、緑内障があって点眼を少しでも減らしたいとお思いの方は白内障手術の時にこのiStentを考えてみるのもよいのではと思います。

眼内レンズ交換は4件と毎週のようにありました。4件中3件はレンティスコンフォートからの入れ換えでした。レンティスは単焦点扱いのレンズなのに、+1.5Dの加入があり、単純な単焦点レンズより焦点の幅が作れるという点でよいレンズですが、多焦点に近い性格もあり、コントラストが若干下がったり、ハローグレアといった異常光視症やブレて見えるゴースト症状が出たりというマイナスの面もあります。全ての人が感じるものでもなく、不具合を訴える方は10人に一人くらいの印象ですが、決して無視できる数字ではないと思うので、僕は事前にこの可能性は伝えますが、レンティスを入れたいと思っている方はよく考え、慎重に決めることが大切かと思います。レンティスからの入れ換えはちょっと難しいと言われていますが、皆さん無事に入れ換えできてよかったです。

先月もたくさんの方に手術を受けていただき、どうもありがとうございましたm(_ _)m

↑iStentはこんなにちっちゃいです。

TOPへ