院長ブログ

多焦点のチカチカ感

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今日は午前のみの外来で手術の申し込みは、眼内レンズ偏位のレンズ摘出・強膜内固定が1人でした。

眼内レンズ偏位というのは、眼内レンズが眼の中でズレてしまっている状態ですが、レンズが入っている袋(水晶体嚢)を眼の壁に固定するチン小帯という線維状の組織が弱くなってきて水晶体嚢ごとズレてきてしまうことが多いです。

こうなってくると、水晶体嚢ごとレンズを取り出し、新しいレンズを眼の壁に固定しなければなりません(僕は強膜内固定という方法を行っています)。この患者さまは2年半ほど前に当院でトーリック(乱視矯正の)多焦点レンズを入れたのですが、術後にレンズが回転(軸ズレ)してしまい(トーリックレンズは『軸』があり、それを乱視の角度に合わせる必要があります)、レンズの位置を修正する処置を3回ほど行った上に、それでも軸ズレしてしまったので、最終的に支えがしっかりした違うタイプの多焦点レンズ(ファインビジョン)に入れ直した経緯があります。元々、眼の組織が何かしら特殊だったのか、複数回の処置が影響したのか分かりませんが、残念ながらレンズ偏位を来してしまいました。現状で強膜内固定に使えるレンズは多焦点もなく、トーリックもないので、前よりは見え方の制限が出てしまうことは避けられませんが、なるべく不自由の出ないレンズ同数選択ときれいにレンズを入れられるような手術をしたいと思います。

昨日の眼内レンズ交換の方は今年の1月に多焦点レンズPanOptixで手術を受けましたが、チカチカするような見えにくさがあり、単焦点レンズへ入れ換えました。ハローグレアと同じ原理で出る症状と思われますが、昼間でも嫌な眩しさを感じる方が時々いらっしゃるように感じます。

手術はレンズの光が通る部分(オプティクス)は比較的簡単にレンズの袋(水晶体嚢)との癒着が外れましたが、レンズの支えの部分(ハプティクス)は先端のくっつきが強く、切断しようかなとも考えましたが、少しずつ癒着が外れてくれそうな感じだったので、ゆっくり引っ張ったところ、きれいに外れてくれました。

レンズ交換では『水晶体嚢が傷ついたり、チン小帯(水晶体嚢を眼に固定する支えの組織)が外れてしまって、とても危険な手術』とよく言われるようですが、無理をしない選択肢(この場合、オプティクスとハプティクスを切り離して取り出す方法)を持ちつつ加減を間違わなければ、十分安全に行える手術ですし、危険ではないと思っています(もちろん、100%安全な手術もないとも思っていますが)。

術翌日でしたが、レンズ自体はきれいに入っていましたし、とても困っていたチカチカするような見え方は1/5くらいに減ってくれたそうで、手術してよかったそうで、本当によかったです(はるばる九州から来てくださった方だったので尚更思いました)。

今週も忙しい1週間でしたが、なんとか無事に終えることができました。皆さま、今週もお疲れ様でしたm(_ _)m

↑ちょっと分かりにくいですが眼内レンズ偏位の写真。下の点々がトーリックのマークです。

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